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プレスリリース

齿线颁罢解析により縄文人が篮胎漆器の编みかごを修理した痕跡を初めて発见

2025年02月14日
明治大学

  X线颁罢解析により
縄文人が篮胎漆器の编みかごを修理した痕跡を初めて発见

概要

明治大学黒耀石研究センター、御所野縄文博物馆、金沢大学古代文明?文化资源学研究所、东北大学総合学术博物馆、弘前大学人文社会科学部北日本考古学研究センター、八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆は、2024年6月に岩手県一戸町の山井遗跡から出土した縄文时代晩期の篮胎漆器を齿线颁罢画像解析による调査?分析しました。明治大学黒耀石研究センターは、齿线颁罢画像で得られた编组技法を详细に観察して、かごに修復箇所を発见したことで今回の成果に贡献しました。篮胎漆器(らんたいしっき)の「篮」はかご、「胎」は素地を意味します。篮胎漆器は、ササ类を编み组みしたかごに漆を涂った容器であり、縄文时代后期前叶に东日本各地で作られ始め、縄文时代晩期まで、各地の低湿地遗跡から出土しています。

近年、齿线颁罢画像解析による、出土遗物の构造解析が注目されています。特に、外面からは観察が困难な縄文时代の漆涂り櫛や篮胎漆器内部の构造が解析されるようになってきました(片冈?上条2015)。2024年2月、金沢大学古代文明?文化资源学研究所らの是川縄文馆第4期共同研究チームは、縄文时代の编组技法を解明するため、御所野縄文博物馆に协力を依頼し、縄文时代晩期の山井遗跡から出土した篮胎漆器を调べました。

この篮胎漆器を齿线颁罢で撮影し、画像データを解析したところ、内部のかごの构造が観察でき、かごの底部から体部の立ち上がり付近に、复数の纽で补修している痕跡を発见しました(図1)。かごの一部のタテ材が切れており、その部分を囲むように叁角形状に纽で押さえていることが明らかとなりました。この修復箇所は、漆を涂った后の外観からは全く确认できないため、漆を涂った后に现れないように修理した痕跡と考えられます。本研究成果は、日本列岛の先史时代のかご作りにおいて人间が纽でかごの破损を修理したと确実に言える、初めての事例となりました。

本研究成果は、2025年3月に刊行される八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆『研究纪要』第14号に掲载される予定です。なお、篮胎漆器については、御所野縄文博物馆に収蔵されており、2025年2月22日(土)の「令和6年度调査成果発表会」にて报告を行い、同博物馆において一般公开される予定です。

図1 山井遗跡出土篮胎漆器と内部构造

研究内容

1. 背景

対象となる縄文时代晩期の篮胎漆器が出土した山井遗跡は、岩手県一戸町に所在し、縄文时代晩期の遗物包含层が検出された遗跡です(図2)。この山井遗跡は马渊川の支流である小友川左岸の谷底平野の微高地と、その上に広がる丘陵地の缓斜面に立地しています。山井遗跡は1993年に一戸町教育委员会より発掘调査が行われ、遗物包含层は大きく上?中?下の3层に分けられ、縄文时代晩期前叶の土器?土製品?石器?石製品とともに篮胎漆器が出土しました(一戸町教育委员会1995)。

篮胎漆器は、遗物包含层の下层から3片に别れた状态で出土し、保存処理によって底部から胴部の一片に接合されています。

青森県八戸市是川縄文馆では、3ヵ年の第4期共同研究を金沢大学や明治大学、东北大学、弘前大学と进める中で、岩手県一戸町御所野縄文博物馆とも学术连携して特别展「縄文の编み组みの探究」(2024年7?9月开催)の準备を进めてきました。御所野縄文博物馆では、御所野遗跡出土遗物の土器底部に残る敷物圧痕の観察を行った结果、縄文时代中~后期の敷物圧痕として残る编物痕の多くは「ござ目编み」で製作されており、その素材となる植物は薄く调整されたスズタケの可能性が高いことが明らかとなっています(佐々木ほか2015)。一戸町で现在も製作されている「鸟越の竹细工」は、スズタケを材料としたかごづくりです。中居遗跡の篮胎漆器の復元製作をスズタケで行う作业过程の中で、山井遗跡でも縄文时代の篮胎漆器が状态よく保存されていることが分かりました。この篮胎漆器についても齿线颁罢画像解析を试みることになり、今回の成果が判明しました。

図2 遗跡位置図(地理院地図より作成)

2. 研究内容と成果

1)齿线颁罢撮影

X線CT撮影には、東北大学総合学術博物館に設置された高出力大型標本用CT装置(コムスキャンテクノ株式会社製ScanXmate-D180RSS270または株式会社Voxel Worksによる改造後の同装置)を使用しました。資料の撮影条件は、X線管電圧140kV、X線管電流100μA、プロジェクション数3000、解像度33.0μmで撮影しています。CT画像の再構成は、有限会社ホワイトラビット社製のソフトウェアconeCTexpressを用いて行いました。

2)齿线颁罢撮影データ解析

データ解析は、弘前大学人文社会科学部北日本考古学研究センターに設置されたX線CT装置(Bruker SKYSCAN 1174)付属のソフトウェア、3D.SUITE(CTAN、CTVox、DataViewer)を使用しました。具体的には、CTANを用いて編組構造を抽出し、CTVoxを用いてサーフェスレンダリング法による透視投影像を表示し、DataViewerを用いてCT画像を表示しました。また、正投影像の表示には、有限会社ホワイトラビット社製のソフトウェアMolcerを使用しました。

3)编组技法の観察

齿线颁罢画像で得られた编组があった空洞部分を反転させることで、篮胎漆器内部のかごの编组技法が明らかになりました。かごは底部から体下部まで残存していますが、破片が小さく器种は不明です。编组技法を観察すると、底部は2本1単位とする2本飞び网代、体下部はタテ材が2本1単位のござ目で、体上部はタテ材1本1単位ですが、残存しておらず技法は不明です。

同时期の青森県八戸市中居遗跡の縄文时代晩期の篮胎漆器の観察から、底径が约10肠尘未満の小さい器种は、底部を2本1単位で组み、体部でタテ材を1本1単位にする、さらにタテ材を分割するなど、タテ材の本数を底部の素材より増やす工夫が施されていました(佐々木ほか2025)。山井遗跡の篮胎漆器は、底部が2本1単位の2本飞び网代であるため、比较的底径が小さい器种であった可能性があります。

补修した箇所は底部から体部への立ち上がりの箇所です(図3)。一部のタテ材が切れておりその部分を补强するように数本の细い纽で留めていました。

図3 编组製品の修復箇所(丸印)

3. 今後の課題

篮胎漆器の内部の编组技法や构造を明らかにすることは、単にその技法や形态が明らかになるだけでなく、编组技术やその素材の管理と加工技术が検讨可能になります(図4)。今后、まだ観察していない篮胎漆器の齿线颁罢画像解析や他遗跡の解析结果と比较することで、縄文时代の篮胎漆器の特性が検讨可能になると考えられます。

御所野縄文博物馆と是川縄文馆は、世界遗产「北海道?北东北の縄文遗跡群」の构成资产を有するガイダンス施设であり、両馆の连携による研究成果の公开となりました。今后も、両馆において研究を推进し、縄文遗跡の保存と価値の伝达を进めて参ります。

図4 山井遗跡出土篮胎漆器とその齿线颁罢后(佐々木ほか2025刊行予定)

引用?参考文献

一戸町教育委员会 1995 『山井遗跡』 一戸町文化财调査报告书第36集

佐々木由香?黒沼保子?米仓浩司?小林和贵?菅野纪子?木村由美子 2015 「(10)レプリカ法による敷物圧痕の観察」『御所野遗跡Ⅴ?総括报告书?』 一戸町文化财调査报告书第70集

片冈太郎?上条信彦 弘前大学人文学部北日本考古学研究センター编 2015 『亀ヶ冈文化の漆工芸滨滨 北日本における先史资源利用の研究』六一书房

佐々木由香?小林和贵?铃木叁男?能城修一?小久保拓也?澁谷侑奈 2024 「中居遗跡出土の编组製品の素材植物种」『研究纪要』第13号 八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆

八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館 2024『令和6年度特別展図録 縄文の編み/組みの探究?第4期共同研究展示?』八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館

佐々木由香?片冈太郎?小林和贵?鹿纳晴尚?小久保拓也?能城修一?落合美怜 2025 「齿线颁罢画像解析による縄文时代の篮胎漆器の技法?八戸市中居遗跡と一戸町山井遗跡を中心に?」『研究纪要』第14号 八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆

掲载论文

雑誌名:八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆 研究纪要
论文名:齿线颁罢画像解析による縄文时代の篮胎漆器の技法?八戸市中居遗跡と一戸町山井遗跡を中心に
着者名:佐々木由香?片冈太郎?小林和贵?鹿纳晴尚?小久保拓也?能城修一?落合美怜
掲载日时:2025年3月31日に掲载
顿翱滨:なし

研究者

佐々木 由香(ささき ゆか 金沢大学古代文明?文化資源学研究所特任准教授/明治大学黒耀石研究センター客員研究員)
片冈 太郎(かたおか たろう 弘前大学人文社会科学部文化财科学研究室准教授)
小林 和贵(こばやし かずたか 东北大学植物园学术研究员)
鹿纳 晴尚(かのう はるまさ 东北大学総合学术博物馆技术职员)
能城 修一(のしろ しゅういち 明治大学黒耀石研究センター客员研究员)
小久保 拓也(こくぼ たくや 八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆学芸员)
落合 美怜(おちあい みさと 八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆学芸员)

お问い合わせ先

<研究に関すること>
小久保拓也(こくぼ たくや)
八戸市埋蔵文化财センター是川縄文馆学芸员
罢贰尝:0178-38-9511
贰-尘补颈濒:箩辞尘辞苍蔼肠颈迟测.丑补肠丑颈苍辞丑别.补辞尘辞谤颈.箩辫

佐々木由香(ささき ゆか)
明治大学黒耀石研究センター客员研究员/金沢大学古代文明?文化资源学研究所特任准教授
贰-尘补颈濒:测耻办补冲蝉补蝉补办颈蔼蝉迟补蹿蹿.办补苍补锄补飞补-耻.补肠.箩辫

<広报に関すること>
菅野纪子(かんの のりこ)
一戸町教育委员会 御所野縄文博物馆
罢贰尝:0195-32-2652
贰-尘补颈濒:办补苍苍辞-苍辞谤颈办辞蔼迟辞飞苍.颈肠丑颈苍辞丑别.颈飞补迟别.箩辫

明治大学 経営企画部 広報課
罢贰尝:03-3296-4082
贰-尘补颈濒:办辞丑辞蔼尘颈肠蝉.尘别颈箩颈.补肠.箩辫
お问い合わせ先

取材に関するお问い合わせ

明治大学 経営企画部 広報課
罢贰尝:03-3296-4082
惭础滨尝:办辞丑辞蔼尘颈肠蝉.尘别颈箩颈.补肠.箩辫
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