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プレスリリース

脳の视床下部にある搁补辫1分子の阻害により糖尿病が改善するメカニズムを解明 ~新しい糖尿病治疗薬の开発に期待~

2025年03月27日
明治大学

脳の视床下部にある搁补辫1分子の阻害により糖尿病が改善するメカニズムを解明
~新しい糖尿病治疗薬の开発に期待~
明治大学农学部農芸化学科の金子賢太朗専任講師とベイラー医科大学小児科の福田真Associate Professorをはじめとする国際共同研究グループは、視床下部注1の搁补辫1注2分子を阻害することにより急速に糖尿病が改善する新しいメカニズムを解明しました。过栄养状态によって诱导した肥満糖尿病様病态において、视床下部に存在する全身の代谢调整の司令塔として机能する笔翱惭颁ニューロン注3という特殊な脳細胞内からRap1分子を欠損させることにより、体重には依存せず血糖値を正常化できることを明らかにしました(図1)。本成果により、脳の搁补辫1分子を標的とした新しい糖尿病治療薬の開発につながることが期待されます。

本成果は2025年2月28日にElsevier社の発行する国際学術誌『Molecular Metabolism』に掲載されました。
論文タイトル:The small GTPase Rap1 in POMC neurons regulates leptin actions and glucose metabolism

研究の背景

血中のブトウ糖の浓度(血糖値)を健康的に维持することは非常に重要です。高血糖は心臓、肾臓、视力に深刻なダメージを与え、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。脳の视床下部は、血糖値の恒常性を维持するために末梢组织からのシグナルを统合する中枢として知られています。特に、脂肪细胞由来のホルモンであるレプチン注4は、视床下部に働きかけ、正常体重を维持するとともに、糖代谢にも重要な役割を果たします。しかし、肥満になると、血中のレプチン浓度が着しく上昇しているにもかかわらず、その强力な代谢作用が低下する(レプチン抵抗性)ことが知られています。したがって、脳のレプチンシグナル异常を改善することができれば、体重や血糖値の正常化につながり、肥満や糖尿病を改善することが期待できます。

研究の成果

私たちの研究グループは、脳のレプチンシグナルを負に調節する因子として、低分子量 GTPase Rap1 を同定しました(文献1)。さらにバージニア工科大学のMorozov博士からRap1floxマウスの提供をいただき、脳の搁补辫1を遺伝学的および薬理学的に欠損/阻害することによって、レプチン抵抗性、インスリン抵抗性、肥満および高血糖を改善することを明らかにしています(文献1および文献2)。本研究では、全身の代謝調節に関わる視床下部POMC ニューロンにおける Rap1 が、レプチン感受性とグルコース恒常性の調節に重要な役割を果たしていることをマウス遺伝学を用いて実証しました(図2)。Rap1を視床下部にごくわずかに存在するPOMCニューロン(約3000細胞/数億細胞)から選択的に除去したところ、抗肥満効果およびレプチン抵抗性の改善効果が発揮されることを見出しました(図3)。さらに驚くべきことに、わずか1週間で高血糖が急速に正常化することを発見しました(図4)。高脂肪食を長期間摂取し肥満および糖尿病になっているにもかかわらず、POMCニューロンの搁补辫1を除去することで、肝臓や脂肪、筋肉といった血糖値制御に関わる組織のインスリンシグナル伝達が強化され、インスリン抵抗性が改善することも明らかにしました(図4)。私たちの本研究を含めた一連の研究成果により、脳の Rap1 がレプチン感受性とグルコース代謝の重要な調節因子であることが特定され、視床下部の搁补辫1を標的とすることが、高血糖を低下させ糖尿病状態を改善する有望なアプローチになる可能性を示しています(図1)。

今后の展开

私たちの研究を含む最近の研究により、脳の搁补辫1シグナルが全身の糖代謝に共通して関与していること、さらにその阻害が糖尿病様病態を改善することが示されています。今後、POMC ニューロンにおける Rap1 の欠損が末梢組織のインスリン感受性を高める分子メカニズムを解明する必要があります。また、POMCニューロン以外の他の代謝調節ニューロン群とRap1の相互作用についても解明することが重要です。さらに、私たちの研究は、中枢性Rap1シグナルを標的とした治療法が、脳の血糖値制御能力を向上させ、糖尿病の新たな治療アプローチとなる可能性を示唆しています。これまでの治療法が体内の症状にのみ焦点を当ててきたのに対し、この研究は脳を中心とした新しい治療戦略の道を開くものです。

用语説明

  • 注1 视床下部
脳において食欲やエネルギー消费、血糖値の制御を司る中枢机関


细胞においてスイッチのように机能しシグナル伝达に不可欠な小さなタンパク质

  • 注3 笔翱惭颁ニューロン
视床下部弓状核において恒常性の摂食调节(満腹)を担うニューロンの一つ

  • 注4 レプチン
脂肪细胞から分泌され食欲や血糖値の维持に働く抗肥満ホルモン

文献1:Kaneko K. and Fukuda M. et al. Neuronal Rap1 regulates energy balance, glucose homeostasis, and leptin actions. Cell Reports. 16(11), 3003–3015 (2016).
文献2:Kaneko, K. and Fukuda M. et al. Rap1 in the VMH regulates glucose homeostasis. JCI Insight. 6(11), e142545 (2021).



お问い合わせ先

研究に関する问い合わせ

明治大学农学部農芸化学科 専任講師 金子賢太朗
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取材に関するお问い合わせ

明治大学 経営企画部 広報課
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