研究?知财戦略机构 学内フォーマット集
コーポレート?ガバナンスと环境适応に関する研究:动态的ガバナンスの确立
研究课题名 | コーポレート?ガバナンスと环境适応に関する研究:动态的ガバナンスの确立 | ||
研究种目等 | 若手研究 | ||
研究概要 | (研究目的) 公司は利害関係者の利害のような様々な环境条件に制约を受けながら,自己の目的を达成しようと活动する。ただし,现実の状况ではモラル?ハザード,情报の非対称性,契约の不完备等の様々な问题から公司の活动が社会的に望ましいものから乖离する可能性がある。利害関係者の诸利害を反映させながら,市场?社会环境条件と有机的に连动した公司経営を诱导することがコーポレート?ガバナンスの机能となる。その中で,取缔役会は公司と环境との「连结环」として,取缔役会のさまざまな机能を活用しながら,环境条件适合的なガバナンスを遂行する主体として存在することになる。 こうしたコーポレート?ガバナンスにおける取締役会の機能に関する既存の諸研究は,主に法制度理論,エージェンシー理論(Jensen,1976,2000),スチュワードシップ理論(Donaldson,1997)といったアプローチに整理できる。エージェンシー理論では,経済人としての「経営者」の恣意的行動を抑制するべく,業績連動型報酬のような外生的なインセンティブ設計や取締役会によるモニタリングメカニズムが強調されている。すなわち,「経営者」の恣意的行動から発生する(エージェンシー)コストを最小化することで,経済合理的な観点から「経営者」と利害関係者との間での利害均衡に導くことが目指されている。一方,スチュワードシップ理論に依拠したコーポレート?ガバナンスでは,経営者個人の達成感や自発性を喚起する内生的モチベーションの活性化方策の有効性が強調される。経営者の「社会人」としての側面が強調されるため,取締役会の機能は,経営者への助言?諮問などのような経営者とのコラボレーションが重視される。ただし,逆に「経済人」としての経営者行動から発生する(恣意的行動から引き起こされる企業財産の費消など)経営リスクを加味していない。 以上の二つのアプローチは,経営者の人间仮説(「経済人」?「社会人」仮説)を前提条件とし,いかなる环境条件においても一面的な対応を行うようにモデルが构筑されていることに向けられている。たとえば,エージェンシー理论では,安定的な环境における経営者のフリーキャッシュ?フローに対する裁量に対する経済的な合理的対応を考虑する。そこでは,公司経営の特殊性,ステークホルダーのあり方,経営者?従业员の动机?心情などのような内部?外部の环境コンテクストにおいて「満足」されるべき,多様な経営者行动のあり方を考察することが軽视されている(贬别苍诲谤测,2005)。また,制度と组织のあり方を捉える制度理论においては,歴史的経路依存性と社会の制度体系から取缔役会のガバナンス机能の正当性を问题としている。そのため,法制度理论では,社会における文化?惯习に里付けられた制度体系との関係性を强调するので,公司环境の変化に応じた特殊なガバナンス形态を记述することは难しくなる。 こうした諸理論は,取締役会の機能について一側面を捉えているのに過ぎず静態的な環境においてのみ有効となる。しかし,現実の企業を取り巻く環境条件の不確実性の高い動態的な環境条件を考慮した多様な取締役機能のあり方を説明するのには不十分である。このことから取締役会の機能を考える上で求められるべきことは,複合的視点をもって様々な状況?環境に応じて異なる,適切な取締役会のあり方を総合的に分析することである。こうしたことから,本研究では,有効なガバナンスが保証されるための取締役会の機能と環境条件に関するコンティンジェンシー?フレームワーク(Contingency Framework)を洗練し,静態的なガバナンス形態から動態的なガバナンス形態へとガバナンス?モデルを進化させていくことを目的とする。 すでに,研究代表者の博士论文において,取缔役会机能に関するコンティンジェンシー(环境条件适合的)?フレームワークを提示してきた。颁贰翱の性质?公司规模?公司の资源依存程度のような内部コンティンジェンシー要因が法的枠组み,环境の不确実性,产业规模などの外部コンティンジェンシー要因とともに取缔役会のプロセス(构成?性质?构造)などに影响を与え,适切な取缔役会机能が决定されることを明らかにした。本研究期间内で明らかにすることは,公司のおかれた状况における様々なコンティンジェンシー要因の特定ならびに,その取缔役会机能との関係性の精緻化である。とくに,取缔役会内のビジョン?チーム能力?戦略などの介在要因が取缔役会机能と环境との间でどのような机能を果たすのか解明する必要がある。そして,このフレームワークの有効性?妥当性についてアンケートを中心とする実証研究を行うことである。こうした研究を通じて,取缔役会の机能と环境との関係性についてのコンティンジェンシー?モデルの洗练化を目指すと同时に,既存の静态的なガバナンス?モデルから脱却し,市场?社会のような环境と有机的に连动する効果的なガバナンス?モデルの探求が研究の目的となる。 (研究実施报告) 若手研究「コーポレート?ガバナンスと环境适応に関する研究:动态的ガバナンスの确立」において,取締役会の機能と環境との関係性についてのコンティンジェンシー?モデルの洗練化を目指すと同時に,市場?社会のような環境と有機的に連動する効果的なガバナンス?モデルの構築を行った。とりわけ,株式所有構造の観点から企業の資本構成?所有主体と取締役会機能の関係を検討する「市場」と,社会からの制度的同型化ならびに社会的責任の観点から取締役会の在り方を考察する「社会?制度」の2つの側面から環境と取締役会機能との関係メカニズムの把握することに力を注いできた。 一年间の研究成果として论文?着书2本,学会报告5本,翻訳1本を発表するに至った。公表された研究成果は下记のとおりである。 论文?着书 西刚広「行动科学における変革型リーダーシップとコーポレート?ガバナンス:环境适応志向型の组织変革を目指して」明治大学商学研究所,『明大商学论丛』,第90巻第4号,2008年3月 西刚広「ノルウェーの颁厂搁—スタトイル」高桥俊夫编着『贰鲍公司论』,中央経済社,2008年4月 学会?研究会报告?讲演会 西刚広「取缔役会机能の多様なあり方と环境条件との関係性に関する一考察」日本経営学会関东部会(於:横浜商科大学),2008年5月26日 西刚広「环境适合的ガバナンスへ向けた取缔役会の役割に関する一考察」日本経営システム学会第38回全国研究発表大会讲演论文集(於:日本大学生产工学部),辫辫.144~147,2007年5月27日 西刚広「コーポレート?ガバナンスと組織デザイン—取締役会構造を中心に—」工業経営研究学会,第22回全国大会予稿集(於:大阪成蹊大学),pp.45-48, 2007年9月11日 西刚広「組織ポートフォリオ理論を基礎とした取締役会構成に関する一考察」日本経営システム学会第39回全国研究発表大会講演論文集(於:中村学園大学), pp.36~39. 2007年12月8日 西刚広「組織変革と学生に対するリーダーシップ教育」日本経営システム学会 インターンシップおよび大学教育改革GP成果研究部会(於:明治大学), 2008年1月18日 本研究を进めるなかで,公司を取り巻くコンティンジェンシー要因により适切な取缔役会构成が决定される静态的な関係を捉えた従来のモデルを再検讨し,コンティンジェンシー要因と取缔役会构成との间に「経営リスク」を介在させ,様々なコンティンジェンシー要因を复合的にポートフォリオとして捉えなおし,动态的に取缔役会构成が変化するモデルを提示したことにある。すなわち,环境ポートフォリオを所与として,経営リスクを积极的にとり公司环境に対して意识的に働きかけ,组织変革に影响を及ぼす取缔役会の机能の意义や可能性について示したのである。また,取缔役会内のビジョン?チーム能力?戦略などの介在要因が取缔役会机能と环境との间で果たす机能を考察するため,リーダーシップ论や产业心理学の议论を援用することにより,取缔役会の环境认知のメカニズムや环境认知におけるバイアスの问题について指摘することができた。 本研究は,静态的なガバナンス?モデルから脱却し,动态的なコーポレート?ガバナンス?モデルの精緻化?発展へ向けて大きく前进することができた。ただし,最终的なモデルの确立には至っておらず,この研究期间において示したモデルの実証が今后の课题となる。 |
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研究者 | 所属 | 职 | 氏名 |
研究?知财戦略机构 | ポスト?ドクター | 西刚広 | |
研究期间 | 2007.6~2008.3 | ||
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