パニック购买を消费者心理と购买行动から検証し、その特性を明らかに 明治大学商学部の水野诚教授ら研究グループが日本商业学会优秀论文赏を受赏
2023年06月20日
明治大学
パニック购买を消费者心理と购买行动から検証し、その特性を明らかに
明治大学商学部の水野诚教授ら研究グループが日本商业学会优秀论文赏を受赏
明治大学商学部の水野诚教授と明治学院大学経済学部の中野暁専任讲师、赤松直树准教授の研究グループは、消费者の购买やメディア接触の実行动が记録されたパネルデータと、アンケート调査によって取得した心理データを统合したシングルソースパネルデータを用いて、消费者セグメンテーション?アプローチによる探索的な分析を実施し、パニック购买する消费者の特性を明らかにしました。
本研究成果は、2022年12月14日に日本商业学会の欧文誌International Journal of Marketing & Distribution (IJMD)にて”Consumer panic buying: Understanding the behavioral and psychological aspects” (消費者のパニック購買:その行動的?心理的側面の理解)としてオンライン掲載されました。また、2023年5月27日に行われた日本商业学会第73回大会にて、学会賞論文部門『IJMD』優秀論文賞を受賞しました。
本研究における本学研究者の成果は、JSPS科研費 JP19K01947の助成を受けたものです。
概要
新型コロナの感染拡大初期、日用品?食品の过度な买い占めといった消费者によるパニック购买现象が全国各地で问题とされました。パニック购买は、地震や感染症などの灾害の后によく起きる消费者行动として古くから観测されてきました。しかしながら、どのような性质を持った人たちがそうした行动をとるのかについては必ずしも十分に理解されてきませんでした。特に、実际の购买行动と消费者の心理を结びつけて解釈する取り组みはあまり行われてきませんでした。
本研究では、2020年2月の政府による小中学校の休校宣言と4月の第一回緊急事態宣言の後に、 2度のパニック購買機会があったことを、日用品?食品の消費者の購買金額の時系列波形から観測しました。このときに、2度にわたり通常時より大幅に買い溜めを行った強くパニック購買をする人たち(全消費者の5.8%)、日頃から購買経験が豊富でこれら機会にはパニック購買せず、通常時より少し多くの備蓄を行った人たち(39.2%)、1度目の波ではあまり多く買いませんでしたが、2度目には合理的に多くの購買を行った人たち(15.0%)といった特徴的な5つのセグメントを特定しました。強くパニック購買する人たちは、普段あまり日用品?食品を買わない男性が多く、その心理には不安感や衝動性が関係していることが示されました。この人たちは、ウェットティッシュを日頃の約22倍、ペット用品を約12倍、トイレットペーパーや米を約7倍買うなど極端な買い溜め行動が見られました。また、消費者の大部分を占める通常よりも少し多くの備蓄を行った人たちには、女性で家族人数が多い、購買経験が豊富な人たちが含まれていました。これらの結果は、一部の極端な人たちが大量に買い占めていることを実証的に示しています。そのため、小売業者にとっては、一人あたりの購入数量の制限を行うなど、消費者全体に商品を行き届かせる施策が重要であることがデータからも示唆されました。
本研究のポイント
- 新型コロナの感染拡大初期、2020年2月の休校宣言と4月の第一回紧急事态宣言の后の2度の机会に、日用品?食品の过度な买い占めといった消费者のパニック购买现象が确认されました。
- 本研究では、実际の消费者の购买が记録された行动データとアンケートによる心理データを统合した分析を行い、パニック购买する消费者の特性を明らかにしました。
- 2度にわたり通常时より大幅に买い溜めたパニック购买者(全消费者の5.8%)は、普段あまり日用品?食品を买わない男性が多く、その心理には不安感や衝动性が関係していました。
- この人たちは、第1波时にウェットティッシュを日顷の约22倍、ペット用品を约12倍、トイレットペーパーや米を约7倍买うなど极端な买い溜め行动が见られました。
- 一方で、消费者の大部分である日顷の购买経験が豊富な人たち(39.2%)は、パニック购买を行っているのではなく、通常よりも少し多くの备蓄を行っているだけであることが确认されました。
- 一部の极端な人たちの买い占めを制限する施策を行うことが、消费者全体に商品を行き届かせる上で重要であることが示唆されました。
研究内容
背景
パニック购买は、灾害の后によく见られる消费者行动であり、新型コロナの感染拡大初期には、店舗の棚が空になる现象が世界中でみられるなど、大きな社会问题になりました。通常、消费者は将来の消费を见越して备蓄を行いますが、パニック购买は予想される消费量の不足水準を大幅に上回るような买い溜め行动であり、不安感などのネガティブな感情がそれを引き起こすことが知られてきました。しかしながら、実际にどのような商品がどの程度多く、谁にパニック购买されるのか、その特性を行动的侧面から理解した研究は限られていました。また、そうした行动には、どのような消费者の心理が関係するのか、実际の购买行动と消费者の心理を结びつけて解釈する取り组みはあまり行われてきませんでした。
そこで、本研究では复数のデータソースが统合されたシングルソースパネルデータを用いて、パニック购买する消费者の行动的?心理的特性を探索的に検証する実証研究を行いました。
データと研究手法
データには、(株)インテージが运営する颈-厂厂笔?(インテージシングルソースパネル?)※1における厂颁滨?(全国消费者パネル调査)※2、 モバイル調査、テレビ視聴調査、アンケート回答を利用しました。このデータでは、購買行動と情報接触行動、消費者心理の関係を捉えることができます。
分析は図1の手顺で行われました。まず、データ内の全消费者の购买を集计した金额前年比(7日移动平均)の时系列波形から一时的な购买増加が起きたタイミングを把握しました。波形の特徴を记述?分类する手法を用いて、特定期间に(1)购买の増加が起きたが、(2)その后、一定の水準に戻った、一时的に购买が増加した商品カテゴリ群を特定しました。続いて、それら商品カテゴリ群を个々の消费者が、第1波と第2波の际に、新型コロナ以前の通常时と比べてどの程度多く购买しているかを指标化しました。この指标を使って、消费者セグメンテーション分析を行いました。また、セグメント所属に対して影响する要因を特定する统计解析を行いました。
図1. 分析手順
本研究で得られた结果?知见
本研究では、図2の購買金額の前年比(7日移動平均)の時系列波形にみられるように、小中学校の休校宣言と第一回緊急事態宣言といった政府の介入直後に2度の購買が増加する機会を確認しました。一方で、この傾向は商品カテゴリ毎に異なっています。また、特に第2波ではStay homeの影響で恒常的に需要が増加した商品カテゴリが含まれます。そこで、商品カテゴリ毎に一時的な購買増加が起きているもの(急激に購買量(金額)が上がって、その後下がったもの)を抽出しました。これらの商品カテゴリには、ティッシュやトイレットペーパー、石鹸などの衛生品や乾麺、パスタ、小麦粉といった主食、缶詰やインスタント食品など保存のきく食品、ペット用品などが含まれています。
消費者セグメンテーション分析を行った結果、通常時と比べた買い溜め傾向の度合いに応じて、5つの消費者セグメントに分類されました。具体的には、強くパニック購買する人たち(5.8%)、弱くパニック購買する人たち(15.8%)、合理的に買い溜める人たち(15.0%)、無関心な人たち(24.3%)、通常より少し多くの備蓄をする購買経験の豊富な人たち(39.2%)です。強くパニック購買する人たちは、普段あまり日用品?食品を買わない男性が多く、子供の人数が多い人たちが含まれました。また、その心理には不安感や衝動性が関係していることが示されました。情報接触の傾向としてはモバイルニュースをよく見る人たちであり、商品の買い方はECをあまり利用しない実店舗派の人たちでした。この人たちは、第1波时にウェットティッシュを日顷の约22倍、ペット用品を约12倍、トイレットペーパーや米を约7倍买うなど极端な买い溜め行动が见られました。その一方で、消費者の大部分は、通常よりも少し多くの備蓄を行っただけに過ぎないことも確認されました。こうした人たちには、女性で家族人数が多く、日頃から日用品?食品を買っている経験豊富な人たちが含まれていました。これらの結果は、パニック購買が大部分の人たちに生じているのではなく、一部の限られた消費者セグメントで起きていることを示唆しています。

図2. 日用品?食品の购买金额の前年比(7日移动平均)の时系列波形
縦线は休校宣言(2020年2月)と第一回紧急事态宣言(4月)を表す。データソース:インテージ厂颁滨。
今后の研究展开および波及効果
パニック购买する消费者は、消费者全体からみれば、必ずしも大部分ではありません。そのため、一部の消费者が过度に买い占めることを防ぐことができれば、全体への供给が安定することが示唆されます。また、日顷から日用品?食品の购买経験が少ない人は、危机时の买い溜めを行いやすいことがわかりました。不安感や衝动性にかられた购买は避ける心がけが必要になります。その际、家庭内でも日顷から日用品?食品を买っている主たる家事担当者が购买量の调整を行うなど、家族の中で注意唤起していくことが有効だと示唆されます。
- ※1SCI?
全国15歳~79歳の男女53,600人の消费者から、継続的に収集している日々の买い物データ。
消费者を起点としたブランドマーケティングや店头マーケティングに活用できる。
- ※2颈-厂厂笔?(インテージシングルソースパネル?)
厂颁滨?(全国消费者パネル调査)を基盘に、同一対象者からパソコン?スマートフォンからのウェブサイト閲覧やテレビ视聴情报に関するデータを収集するもの。
パソコン?スマートフォン?テレビそれぞれの利用倾向や接触率の他、同一対象者から収集している购买データとあわせて分析することで、消费行动と情报接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることができる。
研究者所属?研究者氏名
掲载誌名?顿翱滨
掲载誌名:International Journal of Marketing & Distribution (IJMD) 日本商业学会
DOI:
論文タイトル:Consumer panic buying: Understanding the behavioral and psychological aspects (消費者のパニック購買:その行動的?心理的側面の理解)
著者:中野暁 (明治学院大学)、赤松直樹 (明治学院大学)、水野誠 (明治大学)
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