国内初、移植用ドナー豚の病原体検査パネルを开発 标的病原体数は世界最多、国内での异种移植実现に向けた大きな一歩
2023年10月02日
明治大学
国内初、移植用ドナー豚の病原体検査パネルを开発
标的病原体数は世界最多、国内での异种移植実现に向けた大きな一歩
摂南大学农学部動物機能科学研究室の井上亮教授と三浦広卓特任助教、明治大学农学部生命科学科の長嶋比呂志教授らの共同研究グループは、異種移植用ドナー豚の感染症リスクを評価するPCR検査系のセット(病原体検査パネル)を、国内で初めて開発しました。本パネルによって検査できる病原体数は現時点で世界最多であり、国内外を問わず異種移植の実現に貢献するものと期待されます。本研究成果は、2023年9月29日に国際異種移植学会(International Xenotransplantation Association:IXA)の機関誌である国際科学誌「Xenotransplantation」に掲载されました。
鲍搁尝:
近年、异种移植実现の机运が国内でも急激に高まっていますが、これには感染症リスクの検査体制の整备が欠かせません。本研究の成果は、国内外を问わず、异种移植の実现に向けた最重要课题のうちの一つである「ドナーブタの感染症リスク评価」に大きく贡献すると考えられます。なお、本研究で开発された検査パネルは特许出愿済み(特愿2023-147198)で、実用化の际には研究グループの厳密な管理のもと精度を损なわない体制で运用される见込みです。
本研究は、日本医疗研究开発机构(础惭贰顿)课题番号闯笔15驳尘0010002、闯笔20辫肠0101056および日本滨顿顿惭ネットワークの支援を受けて実施されました。
本件のポイント
- 异种移植用ドナー豚の感染症リスクを评価する病原体検査パネルを国内で初めて开発
- 本パネルによって検査できる病原体数は现时点で世界最多、先行国を大きく上回る
- 国内で开発中の异种移植ドナー候补となるブタの清浄性を検査することにも成功

背景
移植医疗におけるドナー不足は慢性的な问题であり、それを解决しうる技术として异种移植に期待が集まっています。异种移植のドナー动物としてはブタが最も有望视されており、国内では本研究グループの长嶋教授らによってドナー候补となるブタの开発が进められています。
异种移植の実现に际しては、同种移植以上に、感染症リスクの検査が重要な课题です。すなわち、ドナーとなるブタが病原体を保有していないかを调べるための入念な検査が求められます。しかしこれまで国内では、异种移植の际に问题となり得る病原体の検査方法が整备されていませんでした。そこで本研究グループは、ブタを用いた异种移植に际して问题となりうる病原体を対象とした高感度PCR検査系のセット(病原体検査パネル)の开発に取り组みました。
研究内容と成果
厚生労働省は「异种移植の実施に伴う公众卫生上の感染症问题に関する指针※注」の中で、「移植に際して危険性が排除されるべきとされる病原体」として、ウイルス44種、細菌25種、真菌2種、原虫18種の合計89種を挙げています。このうち最も感染リスクが懸念されるのは、母ブタから垂直伝播しうる病原体(おもにウイルス)であり、これらの検査系確立が急務でした。井上教授と三浦特任助教らは上記の89種のうち、とくに優先度の高いウイルス40種、細菌25種、原虫1種を対象とする高感度なPCR検査パネルを確立しました(表1)。本パネルによって検査できる病原体数は現時点で世界最多であり、例えば、異種移植で先行するニュージーランドの合計25種(ウイルス14 種、細菌8種、原虫3種)を大きく上回るものです。また、本研究で確立したPCR検査系の大部分は、PCR反応条件が統一されているため、多くの病原体を一括で検査できるような工夫もなされています。
ついで、本研究で确立した検査パネルの有効性を评価するために、长嶋教授らが开発するドナー候补ブタの病原体検査を実施しました。このブタは、出产前の健康な母ブタの子宫から手术により仔ブタを取り出し、病原体の存在しない隔离施设で饲育する「鲍-颈搁法」を用いて生产されました。検査の结果、ドナー候补ブタからは、母ブタに感染履歴があり垂直伝播したと考えられるウイルス(ブタサーコウイルス2型)のみが検出され、鲍-颈搁法では垂直伝播に注意すれば高い清浄性を実现できることが确认されるとともに、本検査パネルの有効性が検証されました(図1)。


今后の期待
特记事项
论文情报
論文名:Development of a panel for detection of pathogens in xenotransplantation
donor pigs(和訳:異種移植用ドナー豚の病原体検査パネルの開発)
着者名:大给日香里1*、叁浦広卓1*、瓜生遥1,2、小林良奈2、安部加奈子1、中野和明3、梅山一大3、长谷川航希3、塚原隆充4、长嶋比吕志3、井上亮1,2
(*共同笔头着者)
(*共同笔头着者)
1 摂南大学农学部応用生物科学科 動物機能科学研究室
2 京都府立大学大学院生命環境科学科
3 明治大学农学部生命科学科
4 ㈱栄養病理学研究所
雑誌名:Xenotransplantation
DOI:
- お问い合わせ先
-
内容に関するお问い合わせ先
摂南大学 农学部応用生物科学科
教授 井上亮
罢贰尝:072-896-5469(不在の场合は広报室へ)
明治大学 农学部生命科学科
メディカル?バイオエンジニアリング研究室 研究員 梅山 一大
TEL: 044-934-7824 MAIL: umeyama@meiji.ac.jp -
取材に関するお问い合わせ
学校法人常翔学园 広报室(担当:石村、上田)
TEL:06-6954-4026 MAIL:Koho@josho.ac.jp
明治大学 経営企画部 広報課
罢贰尝:03-3296-4082
惭础滨尝:办辞丑辞蔼尘颈肠蝉.尘别颈箩颈.补肠.箩辫
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