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2018年度 卒業式 学長告辞「希望へのさよなら」

2018年度 卒業式 学長告辞「希望へのさよなら」
卒业生のみなさん。そして、卒业生のご家族、友人のみなさん。本日は诚におめでとうございます。今日からみなさんは、明治大学卒业生として、社会の中で活跃していくことになる。そこには希望があるが、きっと不安もあることだろう。だが、心配することはない。社会は大きく手を広げて明治大学卒业生であるみなさんを歓迎してくれる。そして、ひとつだけ间违いないことは、世界のどこに行っても、そこには明治大学卒业生の先辈たちがいるということだ。私の経験がそれを保証している。

たとえば、北京にあるJALの支店长は、明治大学OBだ。北京空港のJALの整备士长も明治大学理工学部OBだった。世界にあるJAL支店の中で北京はニューヨークに次いで大きな支店であり、そこで多くのOBが活跃しているのだ。こうしたOB?OGとの出会いは、世界中でよくある。まして日本の中では、どんな会社组织に入っても、明治大学の卒业生がいる。きっと、みなさんの力になってくれる。夸りをもって、明治大学ブランドを掲げてほしい。

そして、卒业するみなさんに赠りたい言叶は、「艰难(かんなん)辛苦(しんく)は汝を玉とす」という言叶だ。「艰难辛苦」は、さまざまな苦労や逆境であり、それが人を磨いてくれる。そういった意味だ。みなさんが、どんな状况であれ、まっとうに生きていこうと思えば、必ず壁があり艰难辛苦があるだろう。そこを生き抜くことが大事だと言いたいのだ。私はこの「艰难辛苦は汝を玉とす(艰难汝を玉にす)」を汉语かと思っていたが、実は、西洋のことわざを日本语に訳したものだった。「艰难辛苦」は英语でいえば、补诲惫别谤蝉颈迟测だ。まさしくこれは逆境という意味である。英语の辞书には、例文としてシェイクスピアの作品『お気に召すまま』の文章が载っている。

“Sweet are the uses of adversity”
「逆境がもたらす利益は素晴らしい」

逆境に立っても、后ろに引くことなく、そこに立ち続けることが大事である。たとえ、膝を屈してしまうことがあっても、けっして后ろを振り返ることなく前を见ていろ。そうすれば、必ず、谁かが君の背中を支えてくれる。もしくは、一绪にそこに立っていてくれる。それが人生というものだ。私のような72歳の老人が言うのだから、间违いはない。

また、これからの人生には、良い时もあれば、悪い时もある。谁もが同じである。室町时代14世纪に活跃した能楽の大成者世阿弥は、时の间には势いの波があると言っている。自分に势いがある时もあれば、势いがなくなっている时もあるということだ。なぜそんなことを言ったかといえば、日本の芸术は常に胜负事であったからだ。芸术が个人のものになったのは、明治时代になってからかもしれない。それまでは、胜负事であり、胜负の相手がいて、相手との関係こそ、芸术の中心であった。和歌でも、生け花でも、胜负があった。だから、世阿弥は、能も胜负であり、竞争者との関係が大事だと言った。そこでは、相手に势いがきている时もあり、自分の调子が良くない时もある。そんな时は、むやみに胜负をせず、势いが戻るのを待てと言っている。そして、必ず、势いが戻るとも言っている。「信あれば徳あり。」それを信じて、待て。ただ、势いが戻った时のために、準备が必要なのだ。稽古をしていなければならないし、相手にはないものを磨いておかなければならない。つまり、膝を屈している时も、前を向いて次を待つのだ。絶望は必要ない。必ず、君の时が来る。

今日はまだ、桜は満开にはなっていない。しかし、この桜も君たちを祝福している。満开の桜も风が吹けば散っていく。井伏鱒二という作家は、ある汉诗を日本语にしてこう书いた。

「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ。」

きれいな花にも嵐がふく。人生のあらゆるところにさよならがある。辛いさよならもあり、悲しいさよならもある。今日も、君たちは、友とさよならをし、大学とさよならをし、そして、これまでの小さなさよならとは违う青春にさよならを告げて、社会に出て行く。だから、私は、君たちにさよならを言う。そのさよならは、别れではなく、良い人生を祈るさよならだ。君たちを育ててくれた人々、亲も友人たちも今、君たちにさよならを言っている。それはきっと良い人生が待っている未来に向けてのさよならだ。明治大学のスピリッツは「前へ」という言叶にある。この言叶はラグビー部のかつての名监督であった北岛监督が言った言叶だった。今年、明治大学ラグビー部は22年ぶりに全国大会で优胜した。まさに君たちはそうした记念すべき年に卒业していく学生として、このことを记忆に残すだろう。このラグビー部のスピリッツはまさしく明治大学のスピリッツでもあり、その「前へ」を忘れないでほしい。きっとその言叶が君たちを支えてくれる时がくる。未来は君たちの手の中にある。卒业おめでとう。


&苍产蝉辫;                                                 明治大学长 土屋恵一郎