明治大学は、143年前に创立された法律学校にその歴史を発します。江戸时代が终わってほんの10数年しか経っていない1881年です。この时期に、「権利自由、独立自治」を旗印に私立の法律学校を立ち上げた20代の3人の创立者达の心意気の高さを想像してみてください。その心意気の中には、明治维新后もなお権利自由も、独立自治も不十分であり、これからそれを追求していかなければならないという使命感があったんだろうと私は思っています。さて、それから143年が経过した现在、日本の、そして世界の「権利自由、独立自治」は既に実现され、完成されたでしょうか。否です。この间、今に至るまで非常に多くの粘り强い努力や悲惨な犠牲がありましたが、依然として実现できていません。しかし、放弃することはできません。人间社会が存する限り、日本国宪法がいうように「不断の努力によつて、これを保持しなければならない」(12条)のです。明治大学も创立以来、この「権利自由、独立自治」を建学の精神として営々と引き継ぎ、それを実现すべく、存在しています。
明治大学は、これを「个人の権利や自由を认め、学问の独立を基础として自律の精神を养う重要性を示したもの」と理解していますが、これは、権利自由の自律的な主体である一人ひとり、つまり多様な「个」の尊重と不可分の関係に立ちます。その中で、明治大学は、例えば、女性が法曹界から排除されていた时代に、女性に门戸を开き、日本初の女性弁护士となった久米爱、叁渊嘉子(日本初の女性裁判所长)、中田正子を辈出しました。
皆さんにも、それぞれが日本や世界の现状を知る一人の大人として、そして、明治大学の学生、卒业生として「権利自由、独立自治」の実现、多様な「个」の尊重に向けて、それぞれの场で活跃をしていただきたいと愿っています。
さて、法曹です。裁判官、検察官、弁护士は、「権利自由、独立自治」の実现、多様な「个」の尊重に向けて、端的にコミットできる职业だと思います。私自身の裁判官、弁护士の経験からしても、具体的な事件、具体的な人に直接関わるということは、自分の主体的な活动の结果が良くも悪くも直ちに现れることであり、非常に遣り甲斐を感じられる、そして刺激的なことだと実感しています。是非、まずは、兴味を持っていただきたいと思っています。
明治大学では、法曹を志望する学生、卒业生を支援するために、法制研究所という大学直属の教育机関を设置しています。ここでは、法学部の教员や现役の弁护士达が中心となって、全学部の学生を対象に、合理的なスケジュールの下で、亲身な指导が行われ、毎年多くの司法试験、司法试験予备试験、法科大学院入学试験の合格者を辈出しています。
法曹に兴味を持ったら、半世纪前の私のように、是非、法制研究所の戸を叩いてみてください。それが、皆さんの人生が変わり、社会が変わるきっかけになるかも知れません。
皆さんの人生に、皆さんが生きる将来の社会に、幸多かれ。