明治大学の国际戦略
副学长(国际交流担当) 胜 悦子(かつ?えつこ) 庆应义塾大学経済学部卒业。茨城大学人文学部社会科学科助教授などを経て、1998年明治大学政治経済学部助教授。2003年同教授。2008年国际交流担当副学长。2009年10月より国际连携本部长。
教務担当常勤理事 土屋 恵一郎(つちや?けいいちろう) 1946年生まれ。1970年明治大学法学部卒業、1977年同大学院博士課程単位修得退学。1978年同専任助手、1993年同教授。法学部長、国家试験指导センター所長など歴任。2008年より教務担当常勤理事。
北京大学常務副学長 呉 志攀先生(ご?しはん)1982年北京大学法学部卒業。1985年同大学院修士修了。1988年北京大学教授。法学博士。2002年北京大学副学長。2010年1月より北京大学常務副学長。
副学長(研究担当) 坂本 恒夫(さかもと?つねお)1947年生まれ。1971年中央大学商学部卒業。1979年明治大学大学院博士課程修了。1991年明治大学経営学部教授。経営学部教務主任、知的資産センター副センター長、教務部長など歴任。2008年より研究担当副学長。
本日は来日中の北京大学副学长の呉志攀先生をお迎えしました。まずは北京大学の国际戦略についてお话を伺いたいと思います。
北京大の国际戦略
呉 今回はじめて明治大学を访问をさせていただきとても光栄です。まず北京大学长に変わり创立130周年のお祝いを申し上げます。そして今までの北京大学と明治大学の交流に感谢申し上げます。
この2日间、明治大学や大学の周辺を巡りましたが、学生には活気があって、设备も整备されている。研究者のレベルも高く惊きました。
中国は世界の中で最も大きな発展途上国としてこの30年、発展开拓を続けて参りました。そしてこれからは世界の中で责任を背负わなければいけないと考えています。北京大学は中国の首都にある大学であり、东京と同じように大使馆、外资系公司があり国际交流が盛んな场所に位置しています。
学生の第1外国语は英语で共通语になりつつある势いです。日本语は2番目に人気です。私も修士课程で日本语を履修しましたが、使っていないので、忘れてしまいましたが(笑)。北京大には4000人の外国人留学生がおり、世界の270大学と交流しています。日本では明治大学の他に、东大、早大、庆応ほか10数校と関係があり、300人以上が长期で研究滞在しています。
北京大の国际戦略としては、学部の4年間のうち1度は留学を義務付けています。研究生には海外で研究して欲しいですね。私たちの大学で学術をもって解決しなければならないと思っている問題は、すでに人類が直面している社会的な問題です。地球規模の問題の解決を目指しています。
例えば医学で北京大は、造血干细胞の研究が有名です。スポーツ医学でも国内のトップクラスです。またバイオテクノロジー、ナノテクノロジー、こうしたレベルでもおそらく日本と引けを取らないレベルにあると思います。化学においては东大に次ぐアジアでのレベルですし、この数年で追い抜くかもしれません。数学においても全国トップで、法学、歴史、文学もトップレベルにあります。
中国では大学が多く、法学だけでも620校の大学がありトップクラスに居続けるのは难しいことですが、厳しい中でトップを维持し、世界に贡献できるよう研究しています。
明治大学のように优秀な研究者がいる大学と交流ができることは光栄ですし、皆さんが访中し交流できることを愉しみにしています。直近で明治大学とは、「手塚治虫」のマンガ讲座を通じて交流し本当に素晴らしかったです。明治大学を见ていると、柔软な戦略で、机敏に、时代に并んで歩いていると感じています。北京大の歴史が113年、明治大学は130年、歴史ともども、17年先を行っているような感じです。一団となって同じ方向に进む。学长、副学长が同じ方向性を持って进むスタイルは本当に素晴らしいと思います。
本年は北京フォーラムがありますが、40カ国から400人を招待します。中国の国家指导者も参加しますし、皆さんにもぜひ来て顶きたいと思います。
土屋 明治大学は昨年、创立130周年を迎えたのですが、国际戦略を考えたのは、つい最近の话でありそういう意味では、未来について语るしかありませんが、未来のことについて私たちは多くの事を语ることができます。その未来の出発点、未来を语るキッカケになったのは北京大との関係です。とりわけ日本のポップカルチャーの研究が大きな未来の文化を语るために、明治大学と北京大が共にやっていく事ができることではないかと思っています。ポップカルチャーは、学生たちには共通の言语であり、感覚であると思います。
今までの例としては、GCOEが大きな役割を果たしました。ここには、日本におけるトップクラスの数学者が集まり世界の数学者との交流を行っています。社会や生物、他の领域に応用できる数学の研究で明治大学がいま日本のトップです。
そういう意味で数学の分野でも一绪に研究できるのではないでしょうか。
古代史では既に北京大と共同研究が行われています。またマレーシアで理工学部は共同研究をしていますし、来年4月にはタイのバンコクに明治大学のアセアンセンターを立ち上げます。これはバンコクの大学との共同研究のための连携プロジェクトでもあります。韩国でもITの共同研究をしています。ファッション?ビジネスにおいても国际的プロジェクトが始まりました。そういう意味で语るべき未来に大きな期待を乗せて、现象数理学やポップカルチャーなど新しい领域を起点に协力体制を広げていきます。
まんがを通じて
その外国語学院は、大学が建設しているビルに引っ越すのですが、ビルの資料室1フロアに、明治大学のマンガ図书馆分室を置かせていただく予定です。
北京大には800人が在籍するアニメサークルがあり、北京大の中で2番目に大きなサークルとなっています。さまざまな学生が所属していて、毎回、アニメ讲座のときには手伝ってくれます。私も兴味があるので、时间があるときは聴讲しました。手塚监督や冨野监督は世界の财产であると思います。「世界を変えた」という意味で2人はスティーブ?ジョブズと同じだと思います。
たとえば鉄腕アトムで中国人は勇気づけられましたし、宫﨑骏监督の千と千寻のヒューマニズムでは、人间の良いところが描かれていて素晴らしい。価値観が言叶ではなく絵によって表现されています。
アニメは見れば分かります。まさに土屋先生のいう共通言語であり、音楽と一緒で、国境を超える力があると思います。明治大学がマンガのアーカイブ図书馆をつくることは本当に意味があり、その蔵書を北京大に置いて下さるのはたのしみです。
私たち中国にも素晴らしいマンガや作品がありますので、私たちもぜひ寄赠したいと思います。
研究交流の深化を目指し
坂本 北京大学は2度、访问しました。周学长にお话をうかがい、北京大のほうが研究では素晴らしい実绩を上げてるということが分かり私たちは大変敬服しました。
明治大学も「世界へ」情報発信ができるイノベーション拠点になりたいと考えており、納谷学長の強力なリーダーシップのもと、研究拠点になるべく駿河台キャンパスに研究ラボタワーを建設中です。ここには大学院、国际连携机构、研究?知财戦略机构、さらに国際総合研究所が入る予定です。
医疗技术の评価研究も始めますし、数学やバイオリソース研究も展开します。
是非、北京大からも色々と教えてもらいながら、研究を通じて连携を深めていきたいと考えています。
土屋 中野に2013年に新キャンパスをつくります。そこに国际日本学部と総合数理学部(仮称?新設)の2学部、建築の国際コースなど、複数の研究科および研究机関が展開します。日本の建築界の重要な位置は30代の明治大学出身者が占めています。彼らは中国でも仕事をしていますので、北京大学の教員や学生達とも交流できるのではないかと思います。私は昨年、ボストン、MIT、ハーバードのデザインスクールへ行き、これから連携とっていけると確信しました。私としては、ITと建築、ポップカルチャーを重ね合わせたラボを中野につくりたいと考えています。
それは过去の世界でなく、未来のプロジェクトであり、広げていきたいと思ってます。
多くの优秀な教员や卒业生の力を结集して、中野をアジアにおける先端研究のセンターにできれば、とても素晴らしいと思います。
そして、そこが北京大とも连携できるようなIT分野や建筑分野における研究场所となれば、なおのこと素晴らしいと考えています。
胜 もちろん海外の学生も受け入れます。明治大学は、食と住を兼ね备えるインターナショナルハウスが狛江に设けてありますし、优秀な留学生には学费减免措置もあります。
中国と日本 北京大と明治大学
なかでも中国の大学は急速に伸びていて、ランキングでもかなり上位にきています。呉副学长はそのことをどのように见ているのでしょうか。また、これから日本の大学と、さらに北京大と明治大学とどういう関係をつくっていきたいかをお伺いしたいと思います。
呉 北京大の物理学は、ハーバードの论文数を超えました。引用数はまだかないませんが数は追いつきました。でも中国は数(人口)が多いですから(笑)。これからは质を高めることが课题です。
日本の重要な学术论文雑誌は中国でも重要な学术论文雑誌として认められています。
大学の学术委员会が集まって世界の大学の学术雑誌をリスト化していますが日本のものも多いです。また、こうしたものは世界への影响力があります。车のエンジンなど日本の工学雑誌も素晴らしいです。
そういう分野においては、もっと多くを学び、日本の研究と、中日の利点を活かした交流をしたいと思います。例えばアニメの制作は中国ですし、フィギュアも中国で作っています。中国のコストは高くない。医学コストも安い。眼镜のフレームは10元くらいです。日本のデザイン力と中国の力、両者の强みを活かして何かができればと思います。
土屋 明治大学に期待する研究分野として何を考えられますか。
呉 数理学、これから始まる医疗评価も兴味があります。もちろん建筑デザインやポップカルチャーでも同様に考えています。
胜 北京大学とは学生交流でもさらに连携を强化していきたいと思います。今日はありがとうございました。谢々。