暗网禁区

Go Forward

本棚『影像の詩学 シラー「ヴァレンシュタイン」と一義性の思考』青木 敦子 著(月曜社、3,500円+税)



本书は気鋭のシラー研究者である着者の二册目の本であり、シラー最大の戯曲『ヴァレンシュタイン』を特异な観点から考究した労作である。

周知のように、ヴァレンシュタインは30年戦争を背景に佣兵队长から将军にまで登りつめ、権力の絶顶の时に侧近により暗杀された英雄である。ヴァレンシュタインはなぜ破灭したのか。着者によれば、ヴァレンシュタインは人々の心のスクリーンに投じた自らの巨大なシルエット(英雄像)によって穷地に追い込まれ、彼自身がそれに呑み込まれてしまったという。ヴァレンシュタインのシルエットとは、毕竟、彼に対する人々の思惑が织りなす虚像にすぎない。しかしその虚像が噂や伝闻となって现実世界を动かす时、それはもはや虚像とはいえず、実像になるのではないか。こうした観点に基づいて、着者は『ヴァレンシュタイン』をさまざまな角度から読み解いてゆく。

最新の研究成果をも踏まえた篤実なシラー研究书である本书には、今日の我々を照射するアクチュアルな意义がある。なぜなら现代社会では、ヴァーチャルな虚像世界が现実世界として我々を支配しているからだ。

田岛正行?法学部教授(着者は法学部兼任讲师)