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本棚「映画のなかの御茶ノ水」中村 実男 著(明治大学出版会、3,300円+税)



本书は、「映画のなかの御茶ノ水」をテーマとした风景文化の书である。戦前、戦后の映画2,400本の中から「御茶の水」の风景を丹念に拾い上げ、ニコライ堂、圣桥、御茶ノ水駅、皀角坂などの懐かしい风景や往年の女优たちを苏えらせる。

本书はまた、映画の中の「御茶ノ水」からみた昭和史の书でもある。戦前から戦后にかけての「御茶ノ水」の変迁を通して、激动の「昭和の时代」を伝える。

映画の风景は、时として象徴的な意味が込められる。例えばニコライ堂。戦前のニコライ堂は、「西洋モダニズム」の象徴として、频繁に映画に映し出される。ところが、戦中になると一変し、ニコライ堂は、映画の中の「御茶ノ水」の风景から消える。そして、戦争が终わると、ニコライ堂は、「自由と解放」の象徴として、再び映画に甦る。映画の中の风景から歴史がみえる。「昭和の时代」を実感する。

日本人にとって「昭和の时代」は何だったのか。本书は、映画の中の「御茶ノ水」の风景を通して、「昭和の时代」を纽解く格好の书である。

北冈孝义?商学部教授(着者も商学部教授)