「あるとき、见知らぬ二人が、突然、私の研究室を访ねて来られ、「(中略)安全の研究に戻ってください」と要请されたのです」(本书「はじめに」)。これを契机に、着者は本格的に「安全学」へと一歩を踏み出していく。安全への使命感に満ちた3人のやりとりを思うと、なんだろう、グッときてしまう。というのは、工学的で一见理知的な営みと思われる安全学が、じつはきわめて人间的な取り组みにほかならないことを、このエピソードは示してくれると思われたからだ。じっさい、安全は梦だった。机械化?产业化にひた走り始めた20世纪初头、志にあふれた青年たちが抱いた梦だった。社会の発展は生产力の増强や経済成长だけではない。それらによって人々が幸せにならなければ意味がない。その思いはそのまま1世纪を経て、冒头の3人の出会いにまで贯かれている。じつに安全学は时代の「次」を探る情热の所产なのだ。本书をひもとけば、随所にその一端がうかがわれることだろう。入门书と思ってあなどってはいけない。
鞍田崇?理工学部准教授(着者は名誉教授)
鞍田崇?理工学部准教授(着者は名誉教授)