精神に障害をもった人达が描いた絵をアール?ブリュットと言う。ただ、障害をもっているが故に、彼らの芸术は事物の本质に肉薄している。本书の面白さは、ひとつのアール?ブリュットを创りあげていることにあるのではないのだろうか。というのも『知の桥悬り』は、训詁注釈の狭い専门知の学问制度では「障害」をもった大学教授と、役人的な発想の学内行政では「障害」をかかえた学长との対话だからである。とはいえ、この「障害」を活かしながら、中沢氏は「野生の科学」をイメージした斩新な発想をリゾーム的に増殖させてやすやすと専门の障壁を乗り越えており、土屋氏は能のプロデュースという异质なものを大学教育に持ち込み知のシステムを脱构筑している。彼らの対话やインタビューは、世阿弥、宿神、レンマ、身体などを巡るものであり、一见すると大学教育とは无縁に见えるかもしれない。だが、彼らの「障害者」の光学は、両者を结び付けることで、従来の知のあり方の限界を暴き、来るべき大学の姿を见つめているのだ。
岩野卓司?法学部教授
(著者は明治大学長、研究?知财戦略机构特任教授)
(著者は明治大学長、研究?知财戦略机构特任教授)