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本棚「ドイツ三〇〇諸侯 一千年の興亡」菊池 良生 著(河出書房新社、2,500円+税)



ゲルマン民族が美徳としてきたものは何か。それは「勇気」と「名誉」であった。响きのよい言叶だ。しかし、ドイツの诸侯たちが见せたそれは実に人间味にあふれている。中世の顷から、「勇気」を体现するために、彼らは大いに食べ、豪快に饮んだ。时には、酒宴の席での諍いが歴史を动かした。己の「名誉」を守るために、彼らは神圣ローマ帝国政府からのいかなる干渉も受け入れない。诸侯にとっての大事とはドイツではなく、お家の存続と繁栄である。领地と権力を饱くことなく求めたこうした大小300の诸侯たちが、戦いに明け暮れる危ういバランスの上に成り立つパッチワーク状の国家がドイツであった。多くの书を世に送り出してきた着者は、今回、ドイツ诸侯の生き残りをかけた闘争と対立と里切りを临场感あふれる笔致で描き出していく。そして、同时に、诸侯たちが発した膨大なエネルギーと无関係ではありえないドイツの多様な文化の内面へも笔は鲜やかに切り込んでいく。本书にて着者の発する知的エネルギーもまた凄まじい。

松泽淳?理工学部准教授
(着者は理工学部教授)