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Master of Public Policy, MPP
公共政策のプロフェッショナルを育成するガバナンス研究科
笔者:兼村高文教授
‘再び’新たなウイルスが世界中に広まりパンデミックを引き起こしています。感染者数は世界で400万人を超え、死者は28万人を数えています(5月12日现在)。先进诸国では一応はピーク越えの兆しも见えてきたようですが途上国はまだ感染拡大が続いています。今回のコラムは、笔者の専门ではありませんが世界を震撼させている新型コロナウイルス疾患(COronaVIrus Disease 2019)をテーマに、自粛中に思ったことを书き缀ってみました。
おそらく3カ月以上にわたってトップニュースで新型コロナウイルスに関する记事が报じられています。改めてウイルス(语源は‘毒液’などのようですが)やその歴史について调べた読者も多いでしょう。笔者も参考文献に载せたような资料をウエッブやアマゾンから购入して読んでみました。いわく、细菌やウイルスなどの病原体による感染症は人类、いや生命の诞生とともに存在し、人类と感染症の歴史については、山本太郎『感染症と文明』によると、1万年前の农耕の开始から定住、野生动物の家畜化とともに人口が増える一方で、寄生虫などによる感染症が人口増を抑えてきたとあります。それゆえ人类と感染症の歴史は、古代から近代まで长きにわたり悲惨な记録として残されているわけです。
人类が病原体を発见しワクチンを作り出すのは19世纪に入ってからでした。しかしそれからも悲惨な事态は世界で発生しています。最も悲惨なケースはインフルエンザウイルスによるスペイン风邪で、1918年から1920年の间に世界人口のおよそ3割(约5亿人)、死者は5千万人とも1忆人とも报じられています。日本でも死者は45万人(死亡率0.8%)に上りました。感染症に対して人类はまだ强い武器をもたず无力だったようです。ようやく武器をもったのが1929年に开発されたペニシリンです。これにより感染症による犠牲者が减ってきました。世界で感染症による死者が戦死者を下回ったのは第2次世界大戦が初めてだそうです。それまで几多の戦争で犠牲者をだしても感染症の死者が上回っていたわけです。
その后、世界保健机関(奥贬翱)は1976年に天然痘を根絶したと宣言し、人类は感染症に胜利したかのようでした。奥贬翱はワクチンで毎年200万人から300万人の命を救っていると公表しています。しかしすぐにエイズを発症させる贬滨痴ウイルスが出现し、さらに结核は再び势力を强めてきました。ウイルスもなぜか変异を繰り返して强くなり、人という宿主は现代に入り飞跃的に広范囲にまた多量に移动するようになって、活动する场所が広がりました。今回の颁翱痴滨顿-19ウイルスも中国の1都市から世界に瞬く间に広まったのは、グローバル社会で人の移动が自由に大量に行われる中で、新たな攻撃力の强いウイルスが人を袭ってきたようにみられます。
感染症に対する人々の认识の甘さが今日でも世界规模の感染拡大を许してしまったのでしょうか。灾いはまさに忘れたころにやってくるのですが、备えあれば患いなしは、わが国の场合は自然灾害にばかり向いていたのかもしれません。ウイルスと人类は今后も同じような関係が続くのでしょうから、ここは人类の英知で犠牲を最小限に抑え込んでいかなければなりません。しかし気になるのは、地球が抱え込める人口です。世界人口は70忆人を超えて増え続けています。2050年には100亿人とも予想されています。かつてマルサスは『人口论』で人口は几何级数的に増加する一方で食料は算术级数的にしか供给されないと论じ、人口は生活资源に制约されると论じました。しかし现代において生活资源は枯渇せずに供给され人口は増加し続けています。ここで人の生活资源は自然破壊とともに调达してきました。このことが未知のウイルスを引き出して、ときとして人口抑制が引き起こされているのではと考えるのは穿った见方でしょうか。
今回の感染症対策で称賛されている国の1つが韩国です。韩国は2015年5月に中东呼吸器症候群(惭础搁厂)が持ち込まれた际に、初动対応の遅れやその后の失策から38人ですが犠牲者を出し国民や世界から批判されました。惭础搁厂は同年12月に终息しましたが翌年には韩国政府は感染対策を组织再编とともに整备しています。今回、このときに新设された疾病管理本部が権限をもって迅速に指挥にあたったことが功を奏したと报道されています(2020年5月11日読売新闻朝刊)。具体的な感染対策はすでに多く报道されているのでそちらを参考にしてもらい、ここでは惭础搁厂からの教训として共通して言われていることは、‘正确な情报を国民にいち早く伝え信頼を确保すること’です。政府の透明性と信頼性があるからこそ、个人情报を政府が利用でき私権の制限が可能となるのでしょう。
今回の新型コロナウイルスの感染を早い段阶から抑え込んで非常事态からの脱却が果たされたのも惭础搁厂の教训が活かされていました。国民に対する経済支援もスピーディーに国と地方で実施されています。国からの定额给付は个人100万ウオン(约9万円)ですが申请して受け取る、地方では个人商工业者に売上减少分の50~70%を地域通货で给付する、また国家公务员(上级)の给与40%カットを4カ月间実施する、国会议员の歳费は自主的に返纳する、支援とその财源を政府が身を切って出すことに国民の共感がえられましょう(知人の地方公务员からの情报)。
奥贬翱は3月11日にパンデミックを宣言し、日本政府も非常事态宣言を4月7日に続き5月7日に31日まで延长するに至り、今后の感染拡大と生活不安の悬念が相当に高まったのではないでしょうか。政府といえば必ずしも韩国のような迅速な対応でないため、见えないウイルスへの恐怖も迫ってきました。报道されているように笔颁搁検査は极端に少なく、感染を疑っても検査が受けられないという记事を见かけました。改めて政府の危机対応の脆弱さを感じたのではないでしょうか。
レジリエンスという言叶を目にした方も多いと思います。意味は‘跳ね返り’、‘弾力’、‘回復力’などで心理学や経営学、组织论などで使われています。この用语は2001年ニューヨークで起きた9.11同时テロや2011年3月の东日本大震灾で危机対応のキーワードとなっていましたが、世界的に话题となったのは2013年ダボス会议のメインテーマとして取り上げられてからです。会议の报告书では、国の危机管理においてレジリエント?ダイナミズム(强靭な活力)を强力なリーダーシップによって确保するなどとしてまとめられました。
また都市のレジエンスも2012年に公表された都市レジリエンス指标について、米国ロックフェラー财団の支援で世界100都市で指标に基づいた评価の実証が试みられました(。日本は京都市と富山市が参加)。都市レジリエンスについては、弱者を含めて都市で働く人々がストレスや様々な困难に遭遇しても生存し回復する力を意味し、その评価に际しては4つの侧面(①健康と福祉、②経済と社会、③インフラと环境、④リーダーシップと戦略)と都市が回復力を実现させるために目指すべき12の目标が设定され52の指标をもとに评価が行われました。参加した京都市では、2019年に「京都市レジエンス戦略」をまとめ京都市のレジエンスの源泉を「地域力」と「市民力」を上げています。また同时に国连の厂顿骋sの取り组みも连携して进めることが盛り込まれています。レジエンスというキーワードをもとに、様々な危机対応を政府と国民?市民とともに整理し対応をこの机会の考えることも重要なことではないでしょうか。
こうした政府の戦略と指标によるレジエンスの确认は、政府と国民?市民が危机管理において普段からの备えを‘见える化’することになります。あとは政治のリーダーシップということになるでしょうか。
参考文献:富士川游『日本疫病史』(1912年、国立国会図书馆デジタルコレクションで入手可能)、石弘之『感染症の世界史』(角川ソフィア文庫)、W.マクルーニ(佐々木昭夫訳)『疫病と世界史』(中公文庫、2007年)、山本太郎『感染症と文明』(岩波新書、2011年)など。
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