学部别入学试験
出题のねらい
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2017年03月14日
明治大学 情报コミュニケーション学部
2017年冬季アジア札幌大会开会式での大会エンブレムと圣火
今大会を取材した础罢搁チーム。左から、佐野圭弥、ブライアン?ピネリ记者、エド?フーラ编集长、桥本大周、野中喜天。
大会マスコット「エゾモン」の雪像と(左から)桥本、ブライアン、野中、佐野。
スキーフリースタイルの女子モーグルで金メダル、デュアルモーグルで银メダルを获得した村田爱里咲选手に取材する桥本。
スノーボードハーフパイプで选手を撮影する野中。
スノーボードハーフパイプの选手。佐野撮影。
情报コミュニケーション学部小田光康ゼミナールでは、ジャーナリズム?メディア分野のグローバル人材育成に向けた「アクティブ?ラーニング」の一環として、3年ゼミ生の佐野圭弥君と野中喜天君、OBで情报コミュニケーション研究科1年の橋本大周君(指導教員、中村義幸教授)ら3人が、米五輪専門メディア「Around the Rings(ATR)」の記者として、「第8回アジア冬季競技大会(2017冬季アジア札幌大会:2月19日から26日札幌市と帯広市で開催)」を取材しました。
小田ゼミではATRの協力を得て、教員と有志学生らがジャーナリズム教育の実践の場として非営利型パブリック?メディア「Around the Rings Japan(ATR Japan)」(代表:小田光康准教授)を運営しています。ゼミ生はこれまで、リオ五輪大会や国際オリンピック委員会(IOC)への国際取材や、2020年東京五輪パラリンピック関連の国内取材を重ねてきました。この結果はATRに英文記事として、また、ATR Japanに邦文記事として掲載しています。
冬季アジア札幌大会は、45のアジアの国?地域が加盟する「アジアオリンピック评议会(OCA)」が开催する国际スポーツ大会で、アジアのトップレベルの选手1152人がスキーやスケートをはじめとする5竞技63种目を竞いました。出场选手にとって今大会は、2018年に韩国で开催される冬季平昌(ピョンチャン)五轮?パラリンピック大会への试金石となりました。以下、ゼミ生らによる活动报告です。
■橋本大周君(情报コミュニケーション研究科1年。指導教員、中村義幸教授)
私たちは、础罢搁のエド?フーラ编集长とブライアン?ピネリ记者と共に、竞技?选手の取材はもちろん、大会组织委员会や翱颁础の大会运営、竞技会场の活用方法、大会と札幌市民の関わり、ウィンタースポーツ都市としての札幌の歴史などについて取材しました。この中で私は、「大会组织委と翱颁础がこの大会を开催することによって何を実现したいのか」、「大会の运営のあり方は适切であるのか」そして、「この大会が札幌の街や市民にとってどのような意义を持つのか」という3点に注目しました。
印象に残ったのは、スキー?フリースタイル女子モーグルの村田爱里咲选手に试合后にインタビューしたことです。村田选手は2014年ソチ五轮で左脚を负伤し、3季ぶりにモーグル奥杯に復帰しました。その中でのアジア大会でしたが、モーグルで金メダル、デュアルモーグルで银メダルを获得する大活跃でした。取材では、村田选手の精神的な强さ前向きな姿势、はつらつとした态度が印象的でした。
また、1972年札幌五轮スキー?ジャンプ70メートル级で银メダルを获得した今野昭次さんにも取材しました。当时银行勤务だった今野さんは、银メダル获得后もほとんど変わることなく生活したそうです。また、札幌五轮以降の日本のウィンタースポーツの発展や选手のレベルアップがあり、同时に札幌も発展していったとを実感しているそうです。
また、大会组织委の会见や竞技场の取材では、大会组织委会长の秋元克広札幌市长が「高い运営能力を発挥できた」と语ったとおり、大会运営はとてもスムーズだったと感じました。全ての竞技会场が既存施设で费用抑制に寄与したことや、约4500人のボランティアの协力によって选手や観客をサポートしたのは、2020年东京五轮?パラリンピック运営の参考になると思いました。
■佐野圭弥君(情报コミュニケーション学部3年)
今大会で私はフォト?ジャーナリストとして大会の雰囲気をリアルに伝えようと心がけました。2月17日に札幌に到着してすぐ、街の様子を确认しようと、カメラを持って出かけました。垂れ幕などがありましたが、活気をあまり感じられず、本当に国际大会开幕の直前なのか、という印象でした。
二日目以降、私は8日间で竞技や开会式、组织委や翱颁础の记者会见などの写真取材をしました。不惯れなスポーツ写真撮影では、明治大学の「前へ」の精神で、プロカメラマンの中に果敢に飞び込みました。最初は他社のカメラマンの技术を盗み取りながらトライの连続でした。すると、スポーツ写真は一瞬一瞬が肝で、他人の真似ごとではダメだと気付きました。
「自分が撮れるもの、撮りたいものは何か」。これを意识して撮影を心がけることにしました。例えば、それは选手から响いてくる音です。スケート选手やスキー?ジャンパーが轰々と风を切る音や息を荒げる音、选手同士が激しくぶつかり合う音が胸に刺さってきました。テレビでは味わえない一瞬を写真に収めようと挑戦しました。结果として、クロスカントリーでは选手の苦闷するような颜つきを、スピードスケートでは叁冠を达成した高木美帆选手の圧倒的なスピードを表现できたと思います。国际大会の取材は初めての挑戦でしたが、プロのカメラマンと同等までとはいえませんが、自分ができることと、やりたいことを明确にして、実行に移せたと思います。
スキー?ジャンプの取材でのこと、観客席は地元の小学生で埋まり、各々が手作りの応援手旗を振って选手の登场を待ちわびていました。また、ラージヒル表彰式の时、金メダルを获得した札幌市出身の中村直干选手へ観客から「直干!おめでとう!」と大声で祝福が向けられていました。地元の人に大会が受け入れられ、爱されていると感じました。
一方、今大会のボランティアの扱われ方には疑问を感じました。ボランティアは赤いジャンパーのユニフォームを着て、竞技会场やホテル、駅での案内役として大会を支えていました。大会前に复数回の研修が実施されたそうですが、不惯れな点が多くありました。それを见た组织委职员が駆け寄って、ボランティアに嫌味を言ったり、叱りつけたりしていました。ボランティア运営の难しさを间近で感じ取りました。2020年东京五轮?パラリンピックでは9万人以上のボランティアを见込んでいますが、そのスムーズな运営をどう実行していくのかを注视しこうと思います。
■野中喜天君(情报コミュニケーション学部3年)
アジア大会の取材を通じて、プロの记者と同じ土俵での取材活动を経験し、気がついたことは多くあります。これら明治大学のみなさんに共有できれば幸いです。今大会では5竞技63种目が连日にわたり行われました。しかし、同时进行する试合を全てカバー(取材)することは出来ない、优先顺位を付けて取材することになります。ここでの判断がカギになります。この判断を的确に行えるかどうかは、普段からの「问题意识」にかかっています。普段から问题の要点を抑えていなければ、取材现场での焦点など把握できないのです。
「问题意识」を働かせるというのは、常日顷から情报収集をし、出来事の背景を解釈し、问题の要点を炙り出す、という一连の动きだと私は考えています。アジア大会の例でいえば、竞技観戦チケット売れ残りの原因を分析することや、2020年东京大会に向けて謳われる「レガシ-」という観点に注目し、札幌の街をリサーチすることがこれに该当しました。
では、この意識はどこで培われるのでしょうか。大学教育の場に他ならない、というのが今回の取材を通じて出てきた答えです。自発的な思考が求められる大学教育では、論文執筆などを通し、問題発見の手法を体系的に学ぶことが出来ます。特に、学際的な研究?取り組みに注力している情报コミュニケーション学部は、多角的な視野を基にした問題意識を育むのに適した場所と言えるでしょう。取材活動に限らず、どの分野でも優れた結果を残すためには高い水準で問題意識を持つことが肝要です。そして、そのためには大学教育の場を有効活用する気概が不可欠となります。
次に、报道で形作られるイメージと现场の乖离について述べたいと思います。スポーツは単なる运动ではありません。オリンピック?パラリンピックが平和の祭典と呼ばれるように、スポーツが社会に及ぼす影响は伟大です。大会开催の地元では、スポーツイベントに向けた笔搁活动が盛んに行われ、地域の活性化が望めると一般的には考えられています。
とはいえ、地域住民が大会开催を强く望んでいるとも限りません。アジア大会の现场で、この点について気になる场面が多々ありました。タクシー运転手やショップの店员にアジア大会について话をふっても、観戦の意欲が感じられる応答はありませんでした。この点が非常に印象的です。
竞技会场でも同じような実感はありました。クロスカントリーやバイアスロン、竞技が翌日に顺延されたスキー?ジャンプなどの会场は闲散としていました。一方で、开闭会式は満席の賑わいをみせていました。开闭会式に関する报道を頼りに、アジア大会全体の正确なイメージを持つことは难しいかと思います。东京2020大会に向けて今后、报道の过热が见込まれます。このようななかでは、自分の足で现场の雰囲気を确かめることがますます重要になります。
■「アクティブ?ラーニング」について(情报コミュニケーション学部准教授 小田光康)&苍产蝉辫;
昨今の高等教育界で盛んに議論されている一つに「アクティブ?ラーニング」がある。学修者主体の学習手法の一つであり、学修者が能動的に学修に参加する学習法を指すそうだ。私のゼミでは、明治大学の内と外を往復する学習活動をアクティブ?ラーニングと位置づけている。それはリオ五輪の取材といったジャーナリズム活動であったり、タイ北部山岳地帯でのフィールドワークを含む狂犬病予防のメディア教育開発であったり、韓国?釜山大学大学院やタイ?シーナカリンウィロート大学など海 外大学への留学であったり、ニュージーランドのラグビー?クラブチームへの「出稽古」留学であったり、と様々だ。
ここでゼミ生に身につけてもらいたいことは、こうした「アクティブ?ラーニング」といった「他流试合」を通じて、自己を相対化して立ち位置をしっかり持つことだ。そこで欠かせないのが「问题意识」である。「意识高い系」などと揶揄する风潮があるようだが、意识が高くなければ、なにごとも始まらない。意识を高く持つと、これまで见えなかったことが、见えてくる。なにごとにも、常に意识を高く持ち、积极果敢に取り组むことこそ、アクティブ?ラーニングの本质なのだ。これは明治大学が掲げる「前へ。」の精神にほかならない。世界各国からのジャーナリストが集まる今回のアジア大会を通じて、ゼミ生が少しでもこれを学んでくれたなら幸いである。
■础罢搁について
米ジョージア州アトランタに本部を置く础罢搁はエド?フーラ颁贰翱兼编集长が1990年に创立した五轮専门の报道机関で、1992年のバルセロナ大会から2016年のリオデジャネイロ大会まで夏季?冬季の五轮すべてを取材してきました。国际オリンピック委员会(滨翱颁)の本部があるスイス?ローザンヌに特派员を置き、総势约20人のジャーナリストが滨翱颁や日本オリンピック委员会(闯翱颁)など各国のオリンピック委员会、国际竞技団体(滨贵)を中心に取材活动をしています。五轮大会の竞技そのものよりも、五轮を取り巻く政治?経済?社会に関する出来事を取材対象にしていることが特徴です。また、フーラ编集长は毎日新闻で『五轮を语ろう』という连载コラムを担当しています。
◆参考
2017冬季アジア札幌大会のHP:
础罢搁の贬笔:
ATR JapanのHP: