総合数理学部ネットワークデザイン学科4年の河内勇裕さんが2024年3月6日(水)に早稲田大学西早稲田キャンパスにて行われた电力技术恳谈会で田村记念赏を受赏しました。この赏は滨贰贰贰(米国电気电子学会)や颁滨骋搁贰(国际大电力网会议)の国际的研究活动でたいへん活跃した早稲田大学理工学部电力系统研究室田村康男教授の业绩にちなんで平成13年に创设され、电力システムを研究する大学院生の研究活动を一层活性化するための赏です。
本研究では、量子AIのスマートグリッド応用の研究プロジェクトの一環として、ロバスト最適化(Robust Optimization; RO)を考慮した改良型量子Brain Storm Optimization(Improved Quantum Brain Storm Optimization; IQBSO)を使用したアクティブ配電ネットワーク再構成のための効率的な方法を提案しました。ネットワーク再構成と並列コンデンサ制御の併用は配電ネットワークの電力損失を最小限に抑えるのに効果的であることが知られています。
近年の風力発電や太陽光発電などの分散型電源の出現(DER)は、発電出力が気象条件により変動するためアクティブ配電ネットワークに不確実性をもたらします。その結果、配電系統運用者 (Distribution System Operator: DSO) は、その様な不確実性に対処する高度な手法を必要としています。
本研究では、IQBSO とRO に基づいた配電ネットワーク再構成を最適化するための新しい方法を提案しています。IQBSOは高性能進化的計算として組合せ最適化問題を解決するために使用され、ROは不確実性を持つ最適化問題を解く重要な役割をします。提案法を IEEE(米国電気電子学会) 69 ノード配電ネットワークに適用し、他手法よりも良好な結果を得ることができました。