今日、アジア太平洋地域の秩序のパラダイムは二国間FTA を超えて、メガFTA をベースとした広域経済統合の時代に入っています。環太平洋経済連携協定(TPP)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、「一帯一路」構想(Belt and Road Initiative)等、さまざまな枠組みが打ち出され、アジア太平洋地域の新秩序が構築されつつあります。この講義では、重層的に進展する地域統合への動向を踏まえ、アジア太平洋の地域主義は今後どのような方向に進むのか、現状と問題点、今後の課題について考察します。特に、WTOとFTAのあり方、ASEANプラス3、TPPなどアジア太平洋の経済連携の動きに注目します。アジア太平洋地域主義を促している政治的?経済的要因を探ることで、アジア地域統合への示唆を見出すことを期待します。