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数理のチカラ vol.9

不透明な时代のリスクと向き合う文理融合の数理科学。アクチュアリー数理のこれから 

明治大学 総合数理学部 现象数理学科 松山 直樹



私の専门はアクチュアリー数理という、文理融合的な数理科学の一分野です。アクチュアリーとは、伝统的には保険や年金の分野で必要な数理事项を担当する専门职のことをいいます。世界各国にアクチュアリー组织があり资格认定が行われていて、保険会社や年金基金の运営にかかわる専门的职务の中には、法律でアクチュアリー资格が要请される职务があります。私自身も日本のアクチュアリー资格を持っており、保険や年金の数理実务に携わっていた経験があります。最近では、アクチュアリー资格の取得には、大学や大学院で勉强を始めてアクチュアリー候补生として保険会社等に採用され、さらに実务経験を积みながら勉强を続けて平均7?8年かかることが一般的なようです。



もともと人の生死を対象とする生命保険のリスクを确率モデルで保険料として见积もり保険事业を健全に运営していくための数学として出発したアクチュアリー数理は、生命保険から交通事故や火灾のリスクを対象とする损害保険の领域に広がり、长い歴史の中で多种多様なリスクを扱うようになりました。一方で、银行や証券といった金融の分野で20世纪中盘に登场したファイナンス数理は、市场を通じてリスクが自由に他者に移転(ヘッジ)できることを前提とすることで大きく発展しました。その后、経済の自由化?グローバル化の中で金融と保険の境界が曖昧になり、伝统的アクチュアリー数理の限界が认识されるようになりましたが、一方で、いつでもリスクの自由な移転が可能という前提に无理があったことや多种多様なリスクの混在などの现実を背景に、金融机関のリスク管理の失败がしばしば大きな社会问题を引き起こすようになりました。



そのような中で、多種多様の移転困難なリスクを扱ってきたアクチュアリー数理が、保険の枠を超えてリスク管理分野で改めて注目されています。このため、各国のアクチュアリー組織が協力して全体的リスク管理(ERM)のための教育と資格認定(CERA)の仕組みを2009年に立ち上げました。こうしたERM に向かう流れの中で、私は経済価値という概念でアクチュアリー数理とファイナンス数理を融合させることに取り組んでいます。



数理科学は自然科学分野だけでなく社会科学分野にも开かれています。现象数理学科のカリキュラムは、まさにそれを体现するものになっており、数学を基础として広い视野を身に付けた卒业生が社会の幅広い领域で活跃してくれることを愿っています。
(了)

数理のチカラ : 现象数理学科

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