写真1:受赏讲演を行う篠崎大树博士
写真2:赠呈式の様子
农学部生命科学科の環境応答生物学(吉本光希教授)研究室の博士研究員、篠崎大樹博士(2022年度 本学农学部生命科学専攻博士後期課程修了)が、2023年度(第20回)日本植物学会賞「若手奨励賞」を受賞しました。本賞は、植物科学に関する優れた研究を行い、今後の発展が大いに期待される若手研究者に授与される賞です。同博士は学生時代から継続的に取り組んできた「オートファジーによる細胞内分解を介した金属ストレス適応機構の解明」の業績が評価され、本賞を受賞しました。受賞講演および贈呈式は、9月8日に北海道大学札幌キャンパスで開催された日本植物学会第87回大会において執り行われました。
受赏内容:オートファジーによる细胞内分解を介した金属ストレス适応机构の解明
植物が健全に生育するためには、土壌中に存在する金属栄养素を吸収する必要があります。このため、金属栄养素が欠乏した土壌では、植物の生育が阻害されます。篠崎博士は、细胞内の自己成分分解システムである「オートファジー(自食作用)」が、金属栄养素の植物体内リサイクルに寄与していることを见出しました。この机构が存在することで、植物は土壌からの金属栄养素の吸収が不足しても、体内に存在する既存の元素を有効活用することで、生长を维持することができます。従来、植物の金属ストレス応答机构は、主に金属栄养レベルの「感知」と金属元素の「吸収?输送」に着目して研究されてきました。同博士は、ここに新たに「分解?リサイクル」という観点を持ち込むことで、植物体内金属恒常性维持机构の全体像を理解することに贡献しました。本研究成果は、将来的に、贫栄养环境でも生育可能な农作物の开発に繋がると期待できます。
2023年度(第20回)日本植物学会赏受赏者と讲评一覧:
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