株式会社川岛织物セルコン
オムロン京都太阳株式会社
オムロン株式会社草津工场
実习先:京都府、滋贺県
実习期间:2024年7月4日(木)~7月6日(土)
テーマ:京都公司の歴史と现在
目的(実习のねらい):
この実习では、京都の伝统产业に関わる公司や障害者(视覚障害者を除く)雇用に取り组む製造公司および各种制御装置を製造する公司を见学し、どのような歩みを経て、现在の製造の现场や経営のあり方が构筑されてきたのかを学ぶとともに、その延长线上にある近未来のそれら公司の経営のあり方を展望する能力を身に付けることがねらいである。
実习报告:
以下では、见学した学生诸君の所感や注目した诸点および学んだことを中心に报告することにしたい。
(1)1日目(株式会社川岛织物セルコン)
初日の7月4日には株式会社川岛织物セルコンを訪問した。川島織物セルコンは、創業180年を誇る老舗ファブリックメーカーである。市原の工場では染めから織りまでの工程を一貫して行っており、我が明治大学の駿河台キャンパスのアカデミーコモンにある緞帳も川島織物セルコンが製作したものである。今回の見学では、緞帳やカーテンなどの生産現場や日本最古の企業博物館である川島織物文化館を見学した。
工场では、职人が一つ一つ丁寧に作业を行っているところを间近で见学した。一见同じように见えるが、微妙に异なる何千もの色を作り出す技术にプロフェッショナルを感じた。また、製作に数か月から数年かかるものがあることや、缎帐一つあたり家が一轩建つと闻き、大変惊いた。
文化馆では、世界中から蒐集した织物文化の歴史を物语る染织品や古书类を见学した。创业180周年を记念した特别展示品の説明を受けた。中でも西洋の文化を取り入れたテーブルクロスや皿敷の华やかさが印象に残っている。小さな限られたスペースに、日本を代表する名胜や四季の草花、能楽や絵画等の文化を表现し、世界の万国博覧会に出品し、输出拡大への足掛けとなった话を闻き、非常に兴味深いものがあった。
(2)2日目(オムロン京都太阳株式会社およびオムロン株式会社草津工场)
①オムロン京都太阳株式会社
オムロン京都太阳株式会社の見学においては、障がい者を雇う企業としての在り方や働く障がい者の幸せの定義などについて深く理解し、考察をすることができた。
オムロン京都太阳で最初に伺った话の中で、今まで労働ができなかった障がい者が源泉徴収票をみてうれしくて机に饰ったというエピソードがあった。働くことが幸せであるという考え方は当初、私には理解しがたいものであった。しかし、実际に工场を见学させていただいた际、多くの障がい者が働きやすいように、それぞれの特徴に合わせて自ら製作した机械を使用し効率よく勤务している姿を见て活力を感じ取ることができた。この事から日本の福祉に頼るだけでなく、自らができる形で社会に贡献しそれが生きがいになっているのではないかと考えた。
また、见学后の质问の时间に、础滨や贵础が加速するビジネスの现场にて、それでも障がい者雇用で生产を続ける会社としての意义をご説明いただいた。これまでの効率だけを求める社会ではなく、物质的な豊かさを超えた精神的な豊かさを求めている会社としてオムロン京都太阳を捉えることができた。
今回の见学により、効率化を目指す现代社会の中で何かしらのハンディキャップを持つ者が社会の一员として経済を动かしていくこと、そのような彼らを置き去りにせず、共に発展することへの社会的なヒントや希望を得ることができた。
②オムロン株式会社 草津工场
2日目午後のオムロン株式会社草津工场の見学では、オムロンのモノづくり革新コンセプトである「i-Autmation!」についてより具体的に知ることができた。多品種少量生産が特徴である草津工場では在庫を作らないことを徹底し、段替え時間短縮のためにロボットが次の準備をしておくなどロスを減らす工夫を行っていた。またビックデータを活用して基板一枚単位で実装工程を見える化したり、IoTを活用して人?設備を見える化して、ミスやバランス調節できる場所の発見を素早く行うなど、機械を使った生産性向上方法も印象的であった。それらの取り組みによって生産性は15%向上し、課題抽出時間は6分の1になったそうだ。
また、コンベヤーレスラインでは无人搬送ロボットが工场内を走っている様子が非常に近未来的であった。付加価値を生まない単纯作业をコンベヤーレスラインに任せる、つまり人の仕事は夺っていないのである。机械ができるところは机械に任せ、人が得意なところは人に任せるということが人の雇用を守ることに繋がり、それが持続的なモノづくりにつながっていると感じた。従业员の働きがいと产业高度化が両立している现场を见学できたことによって、人と机械が协调するとはどういうことなのかをより具体的に想像できるようになった。
(3)3日目(松下资料馆、京都伝统产业ミュージアム)
3日目には、参加学生が自主的に検讨して决定した2つの资料馆を见学した。それぞれの见学で学んだ主な内容は次の通りである。
① 松下資料館
松下资料馆では、松下幸之助の生涯を通じ、彼がどのようにしてどのような想いで経営を行ったのか、また、彼の哲学を学ぶことができた。
松下幸之助の人生はとても波澜万丈なものであった。幼い顷は父が米相场に失败した影响で9歳から丁稚奉公として労働しており、その后父との别れ、会社员时代、病、结婚を経験し、その后独立して松下电気器具製作所を设立する。设立して最初の顷は轨道に乗らなかったが、自転车ランプを开発しそれを実物展示贩売してみるとこれが大成功して贩売が拡大していく。その后世界恐慌が起こり危机に陥るがリストラを行うことなくピンチを乗り切ってみせた。戦时下ではやむなく民需から军需へと舵を切るが、その影响で戦后骋贬蚕から経営活动への制限を受けてしまう。しかしそれでも諦めるとこなく自社の会社员、社会のために働き続け戦后の日本経済に大きく贡献した。
松下幸之助の成功には彼の哲学?人生観が大きく関与しており、それに関连するエピソードや名言は数多くあり、その中で私が一番心に残ったものは「公司は社会の公器」という言叶であり、この考えのもと、松下幸之助は利益と社会课题の解决という両立の难しいことを成し遂げたのだなと思うと、この哲学を忘れずにどんな时代の変化にも対応できる人材になりたいと思った。
② 京都伝統産業ミュージアム
京都伝统产业ミュージアムは、伝统产业についてそれが完成するまでの工程や実际に使われる材料などの展示を见ることができる施设だが、中には木材の匂いを嗅ぐことができたり、それが実际にどのような仕组みであるのか自分の手で组み合わせて体験できるなど五感で楽しむことのできる工夫がされていた。
特に印象に残った点として、京都の伝统工芸品が展示されているのはもちろんのこと、京料理や京菓子など伝统工芸品以外の展示も多数あり、そういった文化も全てひっくるめての伝统产业であるということがわかった。また、缀机の展示では、初日に见学した川岛织物セルコンで得た知识と组み合わせることでさらに织物について理解を深めることもできた。
奥の方へ进むと伝统と技を受け継ぎつつより现代的なものとなった产业を绍介するコーナーもあり、まさに『温故知新』という京都の伝统文化を支える根干を表すような展示であった。
以上
佐々木 聡 専任教授