理工学研究科応用化学専攻生体関连材料研究室(相泽守教授)では、手术后の感染などを未然に防ぐことができる「抗菌性インプラント」の研究に取り组んでいます。
近年、医科および歯科领域分野では、骨充填材や人工関节、人工歯根などのインプラント材が広く普及していますが、それらの使用后の术后感染症は重篤な合併症の一つであり、大きな问题となっています。そこで、相泽研究室では、耐感染性と高い骨形成能を兼ね备えた「次世代型人工骨」の开発に取り组みました。
まず、相澤研究室のオリジナル素材である「アパタイトファイバー」を出発原料とし、気孔率が70%の多孔質水酸アパタイトセラミックスを作製しました。そのセラミックスをイノシトールリン酸 (IP6) 溶液に浸漬して表面修飾を行ないました。さらに、 IP6 のキレート結合(化学結合の一種)を利用して「亜鉛イオン」を固定化し、「抗菌性と骨形成能を併せ持つ亜鉛イオン担持多孔質水酸アパタイトセラミックス」を作製しました。亜鉛は骨形成を向上させるとともに、抗菌性を持つ元素であることが知られています。実際、本学农学部の長嶋教授グループのご協力により、この亜鉛を担持した多孔質セラミックスをブタ脛骨に埋入したところ、亜鉛を担持していないセラミックスよりも良好な骨形成能を有することを確認しております。
上记の研究成果が认められ、9月19日?20日に山梨大学で开催された「第28回无机リン化学讨论会」において,相泽研究室に所属する上田綾乃さんが若手优秀研究発表赏を受赏しました(対象者17名中3名が受赏)。なお、日本无机リン化学会はリンを含有する无机物质およびそれに関係する物质に特化した学会であり、无机リン化学讨论会は今回で28回目を数えます。なお、この研究は明治大学「生命机能マテリアル研究クラスター」の一环として実施されました。
演题:イノシトールリン酸により骨形成イオンを修饰した多孔质水酸アパタイトセラミックスの生体内反応
発表者:〇上田綾乃?横田倫啓?中野和明?長屋昌樹?長嶋比呂志?相澤 守
関连ホームページ:
日本无机リン化学会
応用化学科 相澤研究室
明治大学生命机能マテリアル研究クラスター(2019年8月1日より生命机能マテリアル国际インスティテュートに昇格!)