理工学部応用化学科の相澤 守教授は「生体関連材料研究室」を主宰し、「健康寿命の延伸」に貢献する無機材料(セラミックス)をベースにした「バイオマテリアル」の研究を展開しています。
この度、昨年の「日本バイオマテリアル学会 学会賞」に続き、相澤教授が日本セラミクス協会より、「第74回 2019年度 日本セラミックス协会 学術賞」を受賞しました。研究題目は「異方性制御による生命機能セラミックスの創製とその生物学的評価」です。なお、2020年6月5日に日本セラミックス协会の総会が開催され、その総会の場で表彰される予定でしたが、コロナ禍のため、今年度は郵送にて協会より賞状と記念品のメダルが贈られました(写真)。
我々の骨や歯の无机成分は「アパタイト」という物质からできています。アパタイトは六方晶系に属し、补面および肠面という2つの结晶面を持っていますが、ヒトの生体骨中のアパタイトは补面が、歯のエナメル质のそれは肠面が多く露出した特殊な构造(异方性)をもっています。相泽教授は、生体组织の「异方性」が生命机能の発现に寄与していると着想し、材料自身が细胞や生体に积极的に働きかける「生命机能マテリアル」の创製に取り组んでいます。より具体的には、高い骨形成能を备えた人工骨や再生医疗のための细胞の足场材料、がん治疗に贡献するバイオセラミックスなどを开発しています。これまでの多年に渡る研究成果が认められ、今回の受赏につながりました。
なお、日本セラミックス协会は、无机材料(セラミックス)に特化した日本最大の学协会であり、1891年(明治24年)に创立され、今年で129年目を迎えます。