暗网禁区

Go Forward

教養デザイン ブック?レビュー

教養デザイン ブック?レビュー

教养デザイン研究科の関係者の著書を紹介しています。教員の著書を院生?研究科出身者?その他が紹介、または、院生?研究科出身者の著書を教員が紹介しています。
この本棚で、幅広い研究分野をカバーする教养デザイン研究科をぜひ探索してみてください。

※内容やプロフィール等は公开当时のものです

丸川 哲史?岩野 卓司 編『野生の教養II 一人に一つのカオスがある』法政大学出版局(2024年)※編者執筆者は、教养デザイン研究科教員



&苍产蝉辫;カオスが秩序との対概念として考察の対象となることは、古からの道理と目されてきた。しかしカオスとはいうまでもなく、安定した観察の位置をたえず胁かすものとして现れるのであり、胁かしのそばから人を巻き込み自らの内に置く。ついにカオスの外部にいることなどできはしない。

>続きを読む

绍介者:仓石 信乃(理工学部教授)

岡本 和子編『暴力の表象空間 ヨーロッパ近現代の危機を読み解く』法政大学出版局(2024年)※執筆者は、岩野 卓司?釜崎 太?鈴木 哲也(教养デザイン研究科教員?法学部教授)他



 他者と触れ合うことは、暴力をもたらす可能性を生み出す。他者との交流は、喜びでもあるが、かえって暴力を呼び込む契机ともなる。人间は他者と関係することと暴力とが分かちがたく结びつくこの世界から逃れるすべはなく、できることは他者と分かち合う喜びが暴力という恐怖に転化する局面を入念に観察し、それをできるだけ精确に记述しようとすることだけだ。それだけが、不可避の暴力をそれでもなお可能な限り回避しようとする抵抗の所作となる。
 
 
紹介者:佐藤 公紀(教养デザイン研究科教員?法学部専任講師)

水野 博子?川喜田 敦子 編『ドイツ国民の境界—近現代史の時空から』山川出版社(2023年)※佐藤 公紀(教养デザイン研究科教員?法学部専任講師):分担執筆, 担当範囲:第1部第3章



 国民とは何か。本书は、「ドイツ」近现代史の事例からこの古くて新しい问いを考える最良の一册であろう。「国民の存在は日々の人民投票である」。本书を読みながら、まず头に浮かんだのは、1882年にフランスの宗教史家エルネスト?ルナンが语ったこの言叶だ。国民とは、人びとの同意、共に生きたいという愿望、また过去の遗产を共有し、それを共同で活用しようとする意志によって作られるものだというルナンの主张である。
 しかし、本书はそうしたオーソドックスな国民理解に留まらず、そもそも「国民」や国籍、领域/集合体としての「ドイツ」、「○○语圏」が指し示すものが、ドイツでは、フランスや日本とは大きく异なることを教えてくれる。
 

紹介者:前田 更子(教养デザイン研究科教員?政治経済学部教授)


佐久間 寛(教养デザイン研究科教員)編『負債と信用の人類学 人間経済の現在』以文社(2023年)



 みなさんは借金に悩んだ経験はあるだろうか。なかには、サラ金やカードローンからお金を借りた人もいれば、奨学金贷与の返済に苦しんでいる人もいるかもしれない。しかし今日クレジットカードでショッピングをすれば、それだけで借金をしていることになる。それぐらい私たちの知らないところで借金は経済の前提になっているのだ。
 借金の别名は负债である。本书は、借金についての名着『负债论』を、佐久间寛、箕曲在弘、小川さやか、佐川彻、松村圭一郎らの人类学者と思想史家の酒井隆史がそれぞれのフィールドで応答しながら论じたものである。

>続きを読む 

紹介者:岩野 卓司(教养デザイン研究科教員?法学部教授)


岩野 卓司、丸川 哲史 編『野生の教養 飼いならされず、学び続ける』法政大学出版局(2022年)※編者執筆者は、教养デザイン研究科教員?関係者



「ファスト教养」という言叶があるらしい。要约された情报を手っ取り早く得て、どこかで披露した后、すぐ忘れ去る——そんな现代の知のあり様のひとつを表す言叶のようだ。

>続きを読む

紹介者:佐藤 公紀(教养デザイン研究科教員?法学部専任講師)

伊藤 剣(教养デザイン研究科教員)著『日本上代の神話伝承』新典社(2010年)



&苍产蝉辫;本书は2010年に刊行された、伊藤剣の第一论集である。全体は四部构成となっており、第Ⅰ部は『日本书纪』の本文と一书、第Ⅱ部は『日本书纪』の神话伝承、第Ⅲ部は『古事记』の神话伝承、第Ⅳ部はいわゆる古风土记の神话伝承についての论である。

>続きを読む

绍介者:植田 麦(政治経済学部准教授)

川野 明正(教养デザイン研究科教員)監修、ミノシマタカコ著『狛犬さんぽ』グラフィック社出版(2020年)



&苍产蝉辫;この本を読むことは、日よけ帽子をかぶり、カメラを手にし、日本各地で狛犬ツアーに参加するようなものだ。换言すれば、これは参加感が高い一册である。

>続きを読む

紹介者:張 帥(教养デザイン研究科博士後期課程在学(3年))

加藤 徹(教养デザイン研究科教員)著『漢文で知る中国—名言が教える人生の知恵』NHK出版(2021年)



名言とは「よく、ことの道理を言いあてたすぐれたことば。名高いことば。」(『日本国语大辞典』)である。本书に収载されている名言は、「すぐれたことば」であるが、人口に膾炙する「名高いことば」ばかりではない。

>続きを読む

紹介者:岩井 晴子(教养デザイン研究科博士後期課程在学(3年))

田中 ひかる(教养デザイン研究科教員)編『アナキズムを読む—〈自由〉を生きるためのブックガイド』 皓星社(2021年)



「希望と解放」の読书案内と謳われているように、抑圧、分断、格差の时代、そして「ポスト?コロナ」の时代を生きるための手引书として编集されている。

>続きを読む

紹介者:山泉 進(明治大学名誉教授?元副学長?元教养デザイン研究科長)

廣部 泉(教养デザイン研究科教員)著『黄禍論 百年の系譜』講談社選書メチエ(2020年)



近代日本における外交の基盘的方针は専ら列国と肩を并べるための欧米协调の路线であった。その一方で、西洋诸国侧の政府をはじめ、知识人やマスコミの一部は、列国の一员になろうとする日本が黄人种同士で结束して白人种に挑戦してくるかもしれないという警戒の眼差しを向けていた。

>続きを読む

紹介者:菊地 修平(2019年教养デザイン研究科博士前期課程修了?修士(学術)?会社員(システムエンジニア))

立花英裕?真田桂子編訳 ; 後藤美和子?佐々木菜緒(2021年教养デザイン研究科博士後期課程修了)訳『ケベック詩選集 北アメリカのフランス語詩』彩流社(2019年)



ここに绍介するのは、立花英裕?真田桂子编訳によるケベック诗选集である。底本として、ローラン?マイヨー、ピエール?ヌヴー共编『ケベック诗—始まりから今日まで』(モンレアル、2007年)が大枠として用いられている。

>続きを読む

紹介者:井上 善幸(教养デザイン研究科教員?理工学部教授)

岩野 卓司(教养デザイン研究科教員)著『贈与論 資本主義を突き抜けるための哲学』青土社(2019年)



突然、隣人が手土产を持ってきたら、押し売りでもないなら何だろう、と警戒心を抱く人も少なくないだろう。商品と货币の交换を基础とする経済活动は自动贩売机でコーラを买うことと、中国人留学生の店员からコーラを买うことに违いを认めない。&苍产蝉辫;

>続きを読む

紹介者:大田 尚(教养デザイン研究科博士後期課程在学(3年))

丸川 哲史(教养デザイン研究科教員)著『冷戦文化論(増補改訂版)』論創社(2020年)



本书『冷戦文化论』の试みは、「戦后日本」における文学、映画、知识人の言动を含めた「テクスト」を、「冷戦」の座标から解析することにある。それは、端的に言って、「戦后」という「反省」の形式、そのものに対する反省である。以下、その论点と方法につき、四点に整理したい。

>続きを読む

紹介者:宮本 司(教养デザイン研究科博士後期課程在学(3年)?大連外国語大学外国人教員)

高遠 弘美(教养デザイン研究科教員)著『物語 パリの歴史』講談社現代新書(2020年)



本书は着者自身が1982年以降およそ20回访れたなかで见たパリ、知ったパリの姿をとおしてパリの歴史を书いたものです。街歩き中の楽しい発见のお话を织りまぜながら、今日のパリという町が持つ空间的な厚み、构造的な魅力を存分に语っています。

>続きを読む

紹介者:佐々木 菜緒(2021年教养デザイン研究科博士後期課程修了?博士(学術)?政治経済学部兼任講師)

池田 功(教养デザイン研究科教員)編『世界は啄木短歌をどう受容したか』桜出版(2019年)



&苍产蝉辫;明治时代の文学者石川啄木は、近代国家が形成され、言文一致运动が行われた时期を歩み、产业社会に生きている人々の感情を、身近な言叶で歌った。このような啄木短歌は长い间<日本人>に爱読されてきていると同时に、実は世界の19の言语にも訳されている。笔者の指导教员である池田功编の『世界は啄木短歌をどう受容したか』(2019年?桜出版)は、この异なる言语に翻訳された啄木短歌の受容を解き明かしている。

>続きを読む

紹介者:応 宜娉(教养デザイン研究科博士後期課程在学(3年)?大学院助手)
明治大学大学院